スマートフォン版へ

【エルムS予想】函館と札幌の微妙な違い

  • 2022年08月02日(火) 12時00分

ダート直線距離はほとんど同じだが…


 エルムS登録馬のうち、前走函館ダート1700m出走馬は8頭。この函館ダート1700m→札幌ダート1700mというコース替わりは、エルムSに限らずあらゆるクラスでたくさん出てくる。

 ローカル1700mという共通項はあるが、この2コースは若干ニュアンスが異なる。額面上のダート直線距離は函館260.3m、札幌264.3mでほとんど同じなのだが、札幌のほうがコース形態が丸っこい。そのぶん3〜4角で捲る馬や早めに前を捕えにいった好位の馬がスピードを殺さず直線に入れる。その効果があるぶん、逃げた馬や2〜3番手の馬が函館ほどは粘れない。

 2012年以降、単勝50倍未満の馬について2コーナーの通過順を基準にすると

回収率向上大作戦


 函館のほうが前付けできる馬のアドバンテージが大きく、そのぶん札幌のほうが差し・捲りの届く確率が若干高い。平均出走頭数の違いはほぼ無視できるレベルだ。

 誤解しないでほしいのは、札幌においても逃げ・先行できた馬の成績は十分に良いのである。函館よりはその程度が減退するという話。前走のパフォーマンスを評価する際にはそのあたりを少しだけ微調整したい。これはエルムSよりもひょっとすると条件戦で生きるかもしれない。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング