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フチサンメルチャンが千直競馬で大健闘! さらに『加矢太論』へまさかのクレーム!?

  • 2022年08月09日(火) 18時01分
太論

▲昨年7月の1勝クラス出走時のフチサンメルチャン(ユーザー提供:ゆーきさん)


久々の芝、しかも初めての直線競馬に挑んだフチサンメルチャンでしたが、好スタートからスピードに乗って5着と大健闘! 5歳の夏にして新たな可能性を示した一戦であり、次の新潟開催が待ち遠しくなりました。今回はそのメルチャンについて、“適性”を改めて分析。今週から始まった『加矢太論』について、まさかのクレームも⁉

(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

とにかく一生懸命に走る馬、1200mでも長い⁉


──日曜新潟9R(驀進特別)のフチサンメルチャンは、新馬戦以来2年9カ月ぶりの芝、しかも初めての直線競馬で大健闘の5着。正直、ビックリしました。

小牧 芝もよかったけど、一生懸命走る馬やから、やっぱり1000mが合ってるんやね。直線競馬も合うんやなと思った。同じ1000mでも、ダートではコーナーで周りの馬を気にしたり、キックバックを嫌がって怯むところがあるから。

── 一瞬、突き抜けるかのシーンもありました。

小牧 うん。僕も一瞬、勝てるかと思ったから、ちょっと早めに動いて勝ちにいった。そのぶんの5着やね。馬の後ろでジーッとしていたら3着はあったかもしれんけど、それはあくまで結果論で。

──8枠16番という枠順もよかった。

小牧 そうやね。あのコースはやっぱり外枠がいいわ。スタートもよかったし、なんせ行きっぷりがよかった。

──厩舎の方も驚いていたのでは?

小牧 5着にきて喜んでくれたよ。ただ、もう同じ条件のレースがないもんね。

──そうですね。2勝クラスの千直はもうない…。

小牧 次は小倉の1000mや。それに、直線1000mであれだけやれることがわかったから、次の新潟開催のときにまた使いに行けるしね。

──小牧さんご自身も、新潟の千直は6年ぶりの参戦でした。

小牧 ああ、そんなに久々やったか。直線競馬は得意やからね、僕。

──勝率21.4%、連対率35.7%、複勝率42.9%ですからね。間違いなく得意条件。

小牧 そうでしょ? なんでかわからんけど(笑)。まぁカノヤザクラが頑張ってくれたから(2008年、2009年のアイビスSDを連覇)。3度目のアイビスSDで故障してしまったけどね。かわいそうに…。久々にあのコースを走って、思い出してたわ。

太論

▲アイビスSDを連覇した際のカノヤザクラ(撮影:下野雄規)


──今回のメルチャンの健闘について、さっそく質問が届いています。「フチサンメルチャン、一瞬勝ったかと思いました。レース後「揉まれなかったのがよかった」とコメントされていましたが、馬場の内側や真ん中を1頭で走ったら、もっと頑張れた可能性もありますか?」。

小牧 いやぁ、そんなことはない。あのコースは、どうしたって外がいいから。あえて内を選ぶのもひとつの作戦だと思うけど、それで勝ったのはあんまり見たことがないでしょ? 今回はね、前に行けたのがよかった。良馬場の芝だから、キックバックもないし、あの位置に行けたから揉まれずに走れた。

──続いてもメルチャンについての質問です。「フチサンメルチャンがまさか芝のスピード競馬であんなにやれるとは思いませんでした。1勝クラスを勝ったときに単勝を獲らせてもらってから応援しているのですが、たとえば揉まれずに逃げたりすれば、芝の1200mでもやれそうですか?」。

小牧 ダートでも芝でも1200mはちょっと長いね。さっきも言ったけど、なんせ1000mがいいから、あの馬は。

──それだけ全力で走る馬、ということですか?

小牧 そうそう。返し馬とか、しんどいもん。とくに新潟の直線1000mの返し馬って、すごくしんどいんですわ。ゲートに向かうのに、あの1000mのコースを行かなアカンから。直線やから、馬は余計に走りたがるでしょ? それを抑えるのがね、もう大変。

──ちょっと手綱を緩めたら、レース前に消耗してしまうと。

小牧 そうさせないために、抑えている人間側が消耗する(苦笑)。久しぶりに汗びっしょりかいたわ。一生懸命に走る馬やから、駆歩(かけあし)で出されへんかったね、メルチャンは。坂路の追い切りでも、よう動くでしょう。あれ、馬なりやからね。とにかく必死に走るんですわ。

──なるほど。血統とか以前に、そういう気性が1000mという距離適性につながっているんですね。

小牧 前に行かせたら、1200mのダートでも最後は止まってしまうからね。だから、いつもジッとして乗ってるんですわ。

──揉まれないように逃げるとかではなく、とにかく1000mがベストということ。

小牧 そうやね。それに、よっぽど速くないと芝1200mで逃げるのは難しいよ。この前はスタートもよかったけど、そこまで速くない。逃げようと思ったら、それだけのスピードがないとアカンから。

──さて、話は変わりますが、昨日から加矢太さんの短期連載『加矢太論』がスタートしました。見ていただけましたか?

小牧 見てないねん(笑)。

──読んでくださいよー!

小牧 タイトル、『太論』のパクリやん(笑)。

──いいえ、オマージュです!

小牧 アハハハ! なんせ加矢太も毎日、頑張っているからね。障害馬の頑張りと障害レースの魅力をしっかり伝えてほしいなと思ってます。僕も読みます(笑)。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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