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【新潟2歳S AI予想】レースの傾向からも魅力十分! AIの注目馬は波乱を演出できるか

  • 2022年08月22日(月) 18時00分

単勝オッズ4.6倍(3番人気)のジャックドールが優勝(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

ここ10年の勝ち馬はいずれも単勝3番人気以内


AIマスターM(以下、M) 先週は札幌記念が行われ、単勝オッズ4.6倍(3番人気)のジャックドールが優勝を果たしました。

伊吹 ハナを切る競馬が続いていましたし、今回はどう出るのだろうと思いながら先行争いを見ていましたが、パンサラッサ(2着)やユニコーンライオン(12着)をすんなりと先に行かせ、自身は4番手の外目を追走。藤岡佑介騎手の落ち着いた挙動を見る限り、陣営としてもイメージ通りの形だったのではないかと思います。その後は3〜4コーナーで2番手に押し上げ、残り200m地点のあたりで先頭のパンサラッサに並び、追い比べからクビ差だけ前に出たところがゴール。着差こそわずかだったものの、2着のパンサラッサは自身の持ち味をしっかり出し切った印象ですし、横綱相撲の完勝と言って良いでしょう。

M ジャックドールは2走前の金鯱賞に続き自身2度目の重賞制覇。昨年の秋から続いていた連勝こそ前走の大阪杯(5着)で途切れましたが、すぐに巻き返してきましたね。

伊吹 前回の当コラムでも指摘した通り、“JRA、かつGIのレース”で3着以内となった経験のない馬が馬券に絡んだのは、サクラアンプルールが1着、ナリタハリケーンが2着となった2017年以来です。もっとも、2着のパンサラッサは2走前にドバイターフを勝っている馬ですし、ジャックドールの前走も勝ったポタジェとは0.5秒差。2頭とも、実績面を不安視する必要はなかったのかもしれません。展開に恵まれての好走ではなかったと思いますから、ウインマリリン(3着)やソダシ(5着)を難なく下した点は高く評価すべきだと思います。

M この秋は大舞台でも相当な人気を集めることになるのではないでしょうか。

伊吹 こういう脚質なので、展開の鍵を握る一頭という意味でも注目が集まるはずです。まだ2000mのレースしか使ったことがない馬なので、1800m以下や2200m以上のレースでどんなパフォーマンスを見せてくれるかも楽しみ。ポテンシャルの高さは十分に証明しましたから、どうかこのまま無事にさまざまなビッグタイトルへ挑戦していってほしいと思います。

M 今週の日曜新潟メインレースは、夏季競馬を締め括る2歳重賞のひとつ、新潟2歳S。
昨年は単勝オッズ4.5倍(3番人気)のセリフォスが優勝を果たしました。ちなみに、その2021年は単勝3番人気以内の3頭が1〜3着を占め、3連単の配当は4950円どまり。堅く収まりがちなレースと見ておくべきでしょうか。

伊吹 そうした方が良さそうですね。過去10年の単勝人気順別成績を見ると、単勝1番人気馬は連対率が70.0%。単勝2〜3番人気馬の3着内率も60.0%に達していました。


M 勝ち馬はすべて単勝3番人気以内。一方、単勝7番人気以下の馬は6頭しか馬券に絡んでいませんし、単勝4〜6番人気の馬も3着内率が16.7%にとどまっています。

伊吹 単勝4番人気以下だったにもかかわらず優勝を果たしたのは、現在のところ2011年のモンストールが最後。また、単勝4番人気以下の馬が2頭以上3着以内に好走したのは、現在のところ2015年が最後です。無理に人気サイドの買い目で勝負する必要はないと思いますが、人気薄の馬を狙う場合もあまり手を広げない方が良いかもしれません。

M そんな新潟2歳SでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、グラニットです。

伊吹 なるほど。オッズを読みづらいメンバー構成ではあるものの、人気の盲点となる可能性も十分にあるのではないでしょうか。

M 2走前のデビュー戦は単勝オッズ194.1倍(16番人気)の低評価を覆して3着に好走。前走の未勝利戦で逃げ切り勝ちを収め、このレースに駒を進めてきました。前走の勝ちっぷりをどこまで評価されるか──といったところですが、上位人気グループの一角を占める可能性はそれほど高くないと思います。

伊吹 他に注目を集めそうな馬が何頭かいますし、人気薄扱いで話を進めても良さそうですね。Aiエスケープが有力視している点を踏まえたうえで、レースの傾向とこの馬のプロフィールを見比べていきましょう。

M もっとも重要なポイントはどのあたりと見ていますか?

伊吹 末脚ですね。2012年以降の3着以内馬30頭は、いずれも前走で出走メンバー中2位以内の上がり3ハロンタイムをマークしていました。


M これはわかりやすい。新潟芝1600m外のレースらしい傾向と言えるのではないでしょうか。

伊吹 私もそう思います。直近のパフォーマンスを評価する際は、レース終盤の脚色を重視したいところです。

M グラニットの前走は逃げ切り勝ちでしたが、上がり3ハロンタイム順位は2位。脚質を不安視されるようであれば、むしろ積極的に狙っていくべきなのかもしれません。

伊吹 あとは、馬格がない馬も苦戦していました。


M こちらもはっきりと明暗が分かれていますね。

伊吹 大型馬の成績が極端に良かったわけではないものの、やはり小柄な馬は過信禁物と見るべきでしょう。

M グラニットは前走の馬体重が444kg。ギリギリではありますが、こちらの傾向からもある程度は高く評価して良さそうです。逆に、何か不安な点はありますか?

伊吹 近年の傾向を重く見るならば、関東馬である点はやや気掛かり。2017年以降の過去5年に限ると、調教師の所属が美浦の馬は[0-3-3-30](3着内率16.7%)でした。さらに、そのうち前走のコースが東京以外だった馬はほとんど上位に食い込めていません。


M グラニットを管理しているのは美浦所属の大和田成調教師。そして、前走のコースは福島です。

伊吹 ただ、グラニットはデビュー戦が東京のレースでしたよね。この条件に関しても、大きく評価を下げる必要はないような気がします。

M 上位人気に推されるような馬ならともかく、人気薄が予想される馬としては、それなりに魅力ある存在と見て良いのではないでしょうか。

伊吹 おっしゃる通りですね。そもそも、今年はこれらの条件を綺麗にクリアしている出走予定馬がほとんどいません。そんな事情もあって、実は私自身も面白い一頭なのではないかと思っていました。Aiエスケープが高く評価しているのならば心強い限り。最終的なメンバー構成やオッズ次第ではあるものの、重いシルシを打つだけの価値は十分にあると考えています。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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