スマートフォン版へ

【紫苑S・京成杯AH・セントウルS予想】秋競馬開幕!休み明け組の取捨選択がカギになる!

  • 2022年09月07日(水) 18時00分

各馬気になる調教ポイントを徹底解説!


 今週から秋競馬開幕。ということで、栗東にもたくさんの馬が戻ってきました。10月になれば、GIも始まるわけですが、9月はそれに向けたトライアルレースがたくさん行われます。トライアルが休み明けの実績馬がいれば、夏に勝利を重ねた勢いある馬も。その対決が楽しみですが、基本的には休み明け組の取捨選択が馬券の大きなポイントになると思いますから、当コラムでもそのお役に立つような内容に努めていきたいと思います。

【紫苑S/スタニングローズ】

 フラワーCを勝って、オークスは2着。というわけで、春の実績はこのメンバーで最上位という評価をしてもよいくらいでしょう。どちらのレースも関東圏への輸送があるレースでしたから、そういった意味での不安もありません。あとは休み明けでの仕上がりがどうかです。

 まず調教量としては、週末と週中に坂路で3本ずつ。決して多くはありませんが、少なくもないといった量。2週前追い切りで遅れていた併せ馬も1週前追い切りでは先着しています。なにより週中の追い切りはすべて4F目が11秒台。この切れがあるラップを見ると、休み明けでも関係なく動く、と判断したくなります。
調教Gメン研究所

切れのあるラップタイムを刻んだスタニングローズ(9月6日撮影)



【京成杯AH/ファルコニア】

 直近2走の重賞レースは勝ち馬から0.1秒差の3着が続いていて、重賞制覇まであと少しというところ。前走は休み明けでしたが、今回は中6週とレース間隔が詰まる形。しかし、追い切り本数は前走と今回は変わっておらず、追い切りの密度としては今回の方が濃いといってよいでしょう。

 なおかつ、最終追い切りは坂路で4F52.6秒。前走が4F54.0秒と速くなかったので、これに関しては、マイラーズC3着時の4F52.1秒に近くなったと評価してよいと思います。ラップに関しても4F目が最速となる、きれいな加速ラップを踏むことができていますし、あとはスプリングS4着以来となる中山競馬場がどうかでしょう。
調教Gメン研究所

前走時よりも早い時計を出したファルコニア(9月6日撮影)



【京成杯AH/ミスニューヨーク】

 直近3走は1週前追い切り、CWでの併せ馬はすべて先着か同入しているので、今回の1週前追いでベレヌスに遅れた内容をどう評価するか。ただ、主観的な評価をすれば、手応えには余裕がありましたし、決して仕上がりが悪くて遅れたという印象はありません。

 最終追い切りは数字の確認しかできていませんが、4F55.1秒は前走時の4F56.9秒より速い時計。ターコイズSを勝った時の最終追いが4F54.3秒ですから、これに近い時計という意味で評価してよいと思います。もちろん4F目最速ラップが踏めていますし、これまでの中山実績も踏まえれば、当然上位評価すべき馬ではあると思います。
調教Gメン研究所

中山実績のあるミスニューヨーク(写真中、8月31日撮影)



【セントウルS/メイケイエール】

 京王杯SC以来のレースになりますが、8月17日には坂路で4F54.9秒をマークして、追い切りを開始しています。その翌週から週中にはCWで追い切り、土曜日には坂路で追い切りという仕上げですが、9月3日は2F24.0秒、1F11.9秒と素晴らしい後半の脚力を見せています。

 最終追い切りはCWで半マイルでしたが、池添謙一騎手が跨っての単走。スピードが乗りかけた時に少し頭を上げる仕草を見せましたが、馬場入りがスムーズなのが、今回の成長だと思います。そして、前半で脚がたまっているので、最後の直線は11.5秒から11.0秒の伸び。休み明けという印象は全くありません。
調教Gメン研究所

素晴らしい後半の脚力を見せたメイケイエール(9月7日撮影)



【セントウルS/ダディーズビビッド】

 中京競馬場は8走して6連対。まさに庭にしている舞台といってよいと思います。葵Sが重賞で惨敗でしたが、これは気難しさ全開だった3歳時ということで度外視してよいと思います。それよりも今回気にするのであれば、休み明けという点でしょう。

 CWでの追い切りの時計は決して速くありませんが、週末、日曜日の坂路での追い切りはなかなかの負荷。特に9月4日はこれまでの週末追いでも速い部類の時計となる、4F55.8秒。しかもラストが12.0秒ですから、このあたりの仕上げにいよいよ確立した何かを感じずにはいられません。最終追いは軽い内容に見えましたが、6Fは82.2秒。昨年3ヶ月ぶりの休み明けで3着だった朱鷺Sの時よりも本数も時計も強化されています。
調教Gメン研究所

仕上げから成長を感じられるダディーズビビッド(9月7日撮影)



◆次走要注意

・9/4 小倉2歳S【クリダーム】(2人/11着)

 レース当日のパドックは周回当初は気合乗りが良くて、すごく目立っていたんですが、それが時間の経過とともに入れ込みへと変化。個人的には想定した負け方でした。やはり輸送したことも影響したはずなので、これを糧に今後は一変した姿を見せてくれるはず。

[メモ登録用コメント] [芝短距離]パドックで入れ込まなければ勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝1600m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統
◎最終追い切りが坂路馬場で2F目13.9秒以下かつ3F目以降12.9秒以下
○最終追い切りがトラック馬場で馬なりのラスト1F最速ラップ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 昨年の京成杯AHは標準坂路、乗込坂路、標準併用という決着でしたが、1着2着の最終追いは◎に該当していました。ちなみに2着は逃げた12番人気でしたが、4F目最速ラップも踏んでいます。
 開幕週で時計も速くなるわけですが、それでも坂路有利というのは、中山競馬場の最後の急坂に対する調教適性といったところでしょう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング