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【オールカマー・神戸新聞杯予想】秋のGIへ向けての重要な一戦! 今週注目馬の追い切り評価は?

  • 2022年09月22日(木) 18時00分

気温も下がり一気に秋の気配、3日間開催明けで調教が特に重要になりそう


 台風の影響が心配された先週末のJRA競馬は、雨の影響があったり、私が出演させていただいた中山競馬場でのイベントの場所が変更したり、ということはありましたが、開催自体は行われています。台風の後は気温が下がったというか、一気に秋の気配。馬も人も過ごしやすい季節になりましたね。

 今週はオールカマーと神戸新聞杯。どちらも秋のGIへ向けての重要な一戦になりそうですが、休み明けだったり、最終追い切りとなる今週が火曜日全休だったりと、通常とは少し違うシチュエーション。それだけに調教が重要になることは間違いないでしょうから、そのあたりをしっかりと判断できれば、と思っています。

【オールカマー/デアリングタクト】

 ヴィクトリアMのCW追い切りでは少しフットワークが小さく見えていましたが、宝塚記念の1週前追い切りではかなり3歳時のフットワークに戻ってきたかなという感じ。1週前の動きが調子のバロメーターになる馬だと思いますから、そういった意味では今回も1週前はしっかりとライブで動きを確認しようと思っていました。

 時計は6F78.6秒でしたが、そんなスピードが出ているとは思えないくらい、力みがなかったというのが、見ていて好感でした。より、好調時に近づいているという印象を受けましたし、最終追い切りは坂路で4F54.6秒。4F目最速ラップが踏めていて、前走とほぼ変わらない内容。もちろん、評価しないといけないでしょう。

調教Gメン研究所

好調時に近づいている印象のデアリングタクト(9月14日撮影)


【オールカマー/ヴェルトライゼンデ】

 前走は屈腱炎明けのレース。それだけに中間は坂路オンリーでの調整で、これがどう出るか。個人的には追い切りの動きを過信しないように、と思っていましたが、結果的にはきっちり力を出した形。そもそも坂路での最終追い切りでホープフルS2着などの実績がありましたから、現時点ではトラックを併用していないことが大きなマイナスにはなっていないのだと思います。

 今回も坂路オンリー。その動きは相変わらず素晴らしく、1週前追い切りが坂路4F51.2秒をマークしたかと思えば、最終追い切りは4F51.1秒。しかも最終追いのラストは11.7秒と前走時の最終追いと同じラップ。レース間隔はあきましたが、評価を下げる理由はありません。

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動きが素晴らしく評価を下げる理由が無いヴェルトライゼンデ(9月6日撮影)


【神戸新聞杯/プラダリア】

 未勝利を勝った直後に青葉賞で重賞制覇。ダービーは掲示板に載る5着ということで、ここで人気を背負って当然の実績を残してきました。それだけに休み明けの仕上がり具合、ここが気になるところでしたが、1週前追い切りはCWでの併せ馬で相手に見劣る手応え。これで良化が期待できるかなというところでした。

 ただ、最終追い切りはCW。これは初めてのこと。やっぱり1週前追い切りの動きが物足りなかったからではないかな、という印象は残ります。時計的には最後の直線が11.6秒、11.7秒と数字的にはなかなか目立ちますが、同じ時間帯に追い切った中では標準くらい。実績、実力は評価しても、追い切り内容は標準、そんな評価になってしまいます。

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追い切り内容は標準評価のプラダリア(画像右、9月14日撮影)


【神戸新聞杯/ヴェローナシチー】

 白百合Sを勝てなかったものの、夏場は休養に充てるというローテーションは既定。よって、ここが休み明けになるのは予定通りですが、この中間のCWでの追い切りはいつも以上に併せ馬での反応が鈍く感じられます。

 そういった意味では最終追い切りの内容に注目していましたが、4F53秒台はここ2走と同じですが、今回は4F目最速ラップが踏めていません。このあたりが道中での脚のたまり具合に影響しているような気もしますし、ここは休み明けとして割り引きの評価は必要かも知れませんね。

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休み明けで割り引きの評価が必要かもしれないヴェローナシチー(9月6日撮影)


【神戸新聞杯/アスクワイルドモア】

 きさらぎ賞4着以来だった京都新聞杯は1週前追い切り、最終追い切りともにCWで併せ馬を行って先着。最終追いは6F86.8秒とかなり遅い全体時計でしたが、それで結果が出たということは、1週前の6F83.4秒できっちり仕上がった休み明けだったということでしょう。

 今回は1週前追い切りがCWで6F83.0秒。京都新聞杯の1週前とほぼ同じ数字。最終追い切りは6F83.7秒の時計ですから、重賞を勝った時よりも速くなりました。21日の追い切りはライブで観ることができず、調教映像での確認でしたが、最後の直線に向いてからなかなか手前を替えていなかったので、このあたりがしっかりと追わざるを得なかったということかも知れません。手前に関しては、京都新聞杯の最終追いではすぐに替えていただけに、ここは気になる材料と思ってよいでしょう。

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最後の直線に向いてからの走りが気になるアスクワイルドモア(9月6日撮影)


◆次走要注意

・9/19 セントライト記念【ショウナンマグマ】(9人/9着)

 レース間隔があいていて、標準少め併用の調教タイプ。もし、追い切り本数をきっちりこなしていたとしてもこの距離とペースだと厳しいと思っていましたから、ここは度外視できる負け。次走、ラジオNIKKEIで好走した標準併用で距離短縮なら、きっちり馬券になると思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]調教タイプが標準併用なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝2200m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 不良馬場で行われた2021年の神戸新聞杯は標準多め坂路が1着でしたが、良馬場の2020年は標準併用で最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップが1着。今週も雨の影響を受ける馬場になるかも知れませんが、極端な馬場状態でないかぎり、2020年に近い調教適性が求められると考えています。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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