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【スプリンターズS・シリウスS予想】“大人になった”メイケイエール 初GI制覇へ!最終追い切りを徹底検証

  • 2022年09月28日(水) 18時00分

元気なフットワークを見せる馬が多いような印象


 先週は3日間開催の影響で、火曜日が全休となり、いつもの坂路での調教取材ができませんでした。よって、今週の火曜日は2週ぶりの坂路だったんですが、キャンターで駆け上がってくる馬を観ていると、2週前よりも元気なフットワークを見せる馬が多いような気がしました。

 これは気温が下がってきたことによって、馬が元気になっている証拠。例年なら、まだまだ残暑厳しい時期ですが、今年は台風が過ぎた後から、かなり秋っぽい気温になりましたからね。ただ、水曜日の坂路の時計を見ていると、少し時計を要している印象。こんな時ほど、ほんとに調子の良い馬が主観的にも客観的にも評価できる動きを見せているはずなので、今週から始まるGI、しっかりとウマい馬券で予想的中といきたいものです。

【シリウスS/バーデンヴァイラー】

 マーキュリーCで重賞制覇、ではあるものの、アンタレスSは15着大敗でしたから、JRA重賞としては、ここで結果を出してこそ。レース間隔はあいていますが、週中にCW、週末に坂路という併用調教を課しており、前走から本格的に併用で仕上げている調教内容に変化はありません。

 最終追い切りはCWでの併せ馬。ヒンドゥタイムズを追走する内容でしたが、全体時計が遅かったとはいえ、最後は楽に並びかけてという形。1週前追い切りでは目一杯に追われて、ラーゴムになんとか追いついた形でしたが、あの動きが今回の調教内容の糧になっている印象。あとは多頭数で気の悪さを見せる、アンタレスSの敗因になったことが出なければ、といったところでしょう。

調教Gメン研究所

CW、坂路という併用調教を課しているバーデンヴァイラー(写真奥、9月28日撮影)


【シリウスS/ハピ】

 デビューから3連勝した後はJDD4着、レパードS3着と決して悪い成績というわけではありません。ただ、このタイミングで横山典弘騎手への乗り替わり。1週前追い切りにはジョッキーが騎乗したんですが、ちょっと動きとしてはどうかなあという印象が残りました。

 それだけに最終追い切りが気になりましたが、いつも通り坂路。よって、動き自体は見ていないのですが、ラップの踏み方としては3F目が11.9秒から4F目が12.6秒。この減速は少し気になりますし、このあたりは映像で動きを確認してから、最終的な判断をしたいと思っています。

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ラップの踏み方が少し気になるハピ(9月27日撮影)


【スプリンターズS/メイケイエール】

 前走時に春に比べて大人になった姿を感じていましたが、それはこの中間も変わらず。9月24日に坂路で4F49.4秒をマークして、自己ベストを更新した動きにはびっくりしましたが、だからといってテンションが上がっているという雰囲気は28日の追い切り前に微塵も感じることはありませんでした。

 馬場入り前に池添謙一騎手が跨って、CWで半マイルの単走追い切り。完全におとなしく、というわけではありませんが、以前のように頭を上げるシーンはほとんどありません。だからこそ、コーナーではしっかり脚がたまっているんでしょうし、その分、最後の直線は11.3秒から11.1秒の伸び。距離の短い追い切りではありますが、2F22.4秒はこの日のCWベスト。重箱の隅をつつけば、中2週が気になりますが、調教内容にそこを不安視するようなことはありません。

調教Gメン研究所

24日に坂路で自己ベストを更新したメイケイエール(9月22日撮影)


【スプリンターズS/ナムラクレア】

 北九州記念の3着は負けて強し。個人的にはあまり好きな言葉ではないのですが、ことナムラクレアのスプリンターズSへ向かう前哨戦としてはこの表現がフィットすると思っています。というのも、初めての中山へ向けては脚をためるレースができたことが良かったんじゃないかと見ています。

 そんな動きが1週前追い切りの4F49.7秒という自己ベスト更新に表れているように思いますし、これを4F目11.5秒の最速ラップでマークしたところが素晴らしいと思います。あとはVTRを確認してからの最終評価と思っていますが、ラップだけを見ると、きっちり4F目最速ラップでしたし、現時点でも高い評価をすべきだとは思います。

調教Gメン研究所

現時点でも高い評価のナムラクレア(9月27日撮影)


【スプリンターズS/タイセイビジョン】

 昨年は12着に終わりましたが、当時はセントウルS7着からの臨戦過程。今回は春の春雷Sから2着を3回続けての出走。特にここ2走は自分の形で脚をためた川田将雅騎手の好リードも好走要因だったと思います。

 それゆえに、同じ騎手でない点は気になりますが、CWでの追い切りの動きは1週前、最終ともに良好。このあたりは良績が馬の調子の維持にも繋がっているようですし、あとはここでの力関係。春雷Sで勝ち馬から0.5秒離されたところをどこまで詰めることができるか、というのがひとつの評価指標になりそうです。

調教Gメン研究所

力関係が気になるタイセイビジョン(写真奥、9月28日撮影)


◆次走要注意

・9/25 2歳未勝利【クリノアグレッシブ】(3人/7着)

 道中で外を回ったとはいえ、あの手応えで回ってきて、掲示板も外したのは馬場が要因としか考えられません。ただ、前半で少し行きたがるところもあったようですから、勝つためには1200mかも知れません。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝1200m>
◎最終追い切りが坂路馬場で2F目以降13.5秒以下のラップ
◎調教タイプが馬ナリ平均
○最終追い切りが南Wで馬なりのラスト1F最速ラップ

 2F目のラップについては、昨年のスプリンターズSの3着以内馬3頭すべてが2F目13.5秒以下で3F目以降は12.5秒以下のラップでした。28日の追い切りを終了した時点で該当馬は1頭だけ。ぜひ、ご自身で見つけてみてください。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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