スマートフォン版へ

【大野拓弥×藤岡佑介】尽きることない探究心 武者修行を終え目指す今後は「とにかく上手くなりたい」 /第4回

  • 2022年11月09日(水) 18時01分
“with佑”

▲最終回のテーマは騎手としてのこれから(撮影:興梠真穂)


大野騎手をゲストに迎えてお送りする『with佑』は今回で最終回。これまで互いにフランスへの武者修行を経験した身として、現地で得た経験や感じた思いを語っていただきましたが、最後のテーマは騎手としてのこれからについて。

大野騎手に今後の描いている未来を尋ねると、「描いてないんです」と一言。勝ち鞍を伸ばすことやGIを勝つことではなく「上手くなる」ことが目標という大野騎手の言葉に表れた率直な思いとは。

(取材・構成=不破由妃子)

これくらいの年になると、ジョッキーは2つのタイプに分かれる


佑介 拓とは1年違いだけど、競馬学校時代はまったく絡みがなかったよね。

大野 そういえば、全然なかったですね。

佑介 俺、若い頃はとくに、年下に興味がなかったからなぁ。でも、デビューしたときから、ずっと拓の乗り方は好きだった。見た目、ハマリ、スタイル…追い方もかっこよかったし。

大野 ありがとうございます(笑)。

佑介 去年、北海道で久々にずっと一緒に乗ったけど、拓とはけっこう似たスタンスで競馬をすることが多くてさ。俺が行きたかったところに拓がいるっていうのが何回か続いて。「俺もそこから進めたかったのに、邪魔やわー」みたいな(笑)。

大野 ちょっとうれしいかも(笑)。僕、そういうとき勝ってました?

佑介 何度か勝たれた(苦笑)。函館はちょっと足りない馬を勝たせようと思ったらやりようがあるんだけど、そのぶん考えていることが近い人がいると、すごくやりづらいんだよね。去年、何回も思ったよ(笑)。

“with佑”

▲大野騎手と佑介騎手は騎乗スタイルが似ているとのこと(撮影:興梠真穂)


──ちょっと足りない馬を勝たせる…といえば、大野さんの真骨頂ですからね。なにしろ、1986年のグレード制導入以降、単勝万馬券の本数でずっと1位だったんですから。

佑介 だった…ということは、抜かれたんですか?

──そう、今年に入って抜かれちゃったんですよ。

大野 え〜! 誰に!?

──古川吉洋騎手です。今年、古川騎手が単勝万馬券を2本出して計15本。大野さんは、去年勝浦騎手に追いつかれて、2位タイで14本です。

佑介 単勝万馬券14本かぁ。すごいね。

──佑介さんも7本出してますよ。

佑介 そんなに出してる? 俺、すごいじゃん(笑)。

──しかも、2015年1月24日にシゲルエベッサンで出した単勝万馬券は、32,230円ですから。

大野 3万とか…(笑)。

──いやいや、大野さんは佑介さんを上回る3万超馬券を2本出してます(笑)。

“with佑”

▲単勝3万超馬券を合わせて3本出しているお二人(撮影:興梠真穂)


佑介 多頭数だとか、グリグリの1番人気がいるとか、条件が揃わないと3万円の単勝なんて出ないよなぁ。

──以前、大穴ジョッキーとして別の媒体の取材を受けたとき、大野さんご自身も

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

質問募集
with 佑 / 藤岡佑介
このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。あなたから
コラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
質問フォームへ
with 佑とは
JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング