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【石神深一×藤岡佑介】「乗りたくないと思ってた(苦笑)」自由気ままなオジュウチョウサンとの出会い /第1回

  • 2022年11月30日(水) 18時01分
“with佑”

▲石神深一と藤岡佑介のリモート対談第1回


障害の王者オジュウチョウサンの引退が年末に控える今、パートナーであり障害のスペシャリスト石神深一騎手がゲストに来てくださいました。初騎乗の2015年6月から7年半もの期間をともに過ごしたオジュウチョウサンと石神騎手、第1回となる今回は人馬の出会いについて伺います。

レースで騎乗する以前から追い切りには何度も騎乗していたとのことですが、初対面の印象は良いものとは言えないそう。言うことは聞かない、ごねる、落とそうとしてくる、さらに佑介騎手も驚くような衝撃のわがままエピソードも…。

(取材・構成=不破由妃子)

オジュウの場合、ダートコースにわざわざ行って一度止まって…


──12月24日の中山大障害を最後に、オジュウチョウサンが引退。刻一刻とそのときが迫っているわけですが、石神さん、今はどんなお気持ちですか?

石神 毎日、オジュウの背中を楽しみながら調教しています。「あと1カ月しかこの背中には乗れないんだなぁ」とか、いろいろ思いながら。ちょうど1カ月後ですよね(この取材は、11月24日に行われました)。

佑介 オジュウチョウサンも、もう11歳。長い付き合いですもんね。

石神 年月もそうだけど、成績がね、ものすごいでしょう。そういう馬と、あとちょっとしか付き合えないことがわかっているわけで、そうすると、ちょっとこう…。動揺とはまた少し違うかもしれないけど、やっぱり胸にくるものがあるよね。

佑介 7年半もの間、1頭の馬と一緒に歩んできたなんて。一緒に走ったあの有馬記念(2018年)が、もう4年も前なんですからね。

“with佑”

▲武豊騎手とのコンビで出走した有馬記念から今年で4年(写真は南武特別出走時・撮影:下野雄規)


──その有馬記念のお話なども追々伺っていきたいのですが、今日はですね、大一番を控えた段階ではありますが、石神さんとオジュウチョウサンの7年半を障害マニアの佑介さんとともに振り返っていきたいと思っています。

佑介 僕、障害大好きなんですけど、石神さんとオジュウについては、パトロールを見ながらちょっと話をしたくらいで、じっくり聞いたことがないんです。だから、今日は本当に楽しみで。さっそく最初に跨ったときの印象から聞いてみたいです。

石神 ファーストインパクトは、言うことを聞かない馬だなっていうのが一番だったな。

──2015年6月の東京ジャンプSの1週前くらいでしたっけ?

石神 いえ、山本康志さんが乗っている頃から、調教では乗せてもらっていたんです。そのときから乗り手の言うことを聞かない馬で、落とそうとしてくるし、坂路に行けって指示を出しても行かないし、チップに行けって言っても行かない。ごねちゃって、言うことを聞かないんですよ。

佑介 止まっちゃうんですか?

石神 止まっちゃったり、クルッと回って逆方向に走って行っちゃったり。とにかく自由気ままで、ホントに最初は難しかったよ。

──ご自身がレースで乗る前から、調教でオジュウの難しさを体感されていたんですね。

石神 はい。これはたまたまなんですけど

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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