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【ステイヤーズS・チャレンジC・チャンピオンズC予想】テーオーケインズは連覇なるか!? 追い切りの動きから高い評価ができる注目馬とは

  • 2022年11月30日(水) 18時00分
今週末はチャンピオンズC。調教捜査官・井内利彰の予想を特別に無料で公開(土曜日公開予定)!
以下よりぜひご覧ください。

チャンピオンズC攻略

注目馬の総合的な評価は…


 先週のジャパンC。当日は東京競馬場で仕事、しかもパドックに関するセミナーの講師を務めていたこともあり、JCのパドックをじっくりと観る機会に恵まれました。◎ヴェラアズールは初めてのGIとは思えないくらい、堂々とした周回。馬体は黒光りし、内側から弾けるようなボリュームでした。これで負けたら仕方ない、そう思える状態だったことは間違いないと思います。とてもGI初勝利とは思えない、渡辺薫彦厩舎の「仕事」を堪能させていただきました。

 ただ、レースは想定よりもかなりスロー。それにより馬群が固まり、最後の直線に向いた時は万事休す。それでも焦るような仕草はなく、一瞬のチャンスを待つ、R.ムーア騎手。あの騎乗がなければ、1着はなかったでしょうから、こちらも「これが仕事」と言わんばかりのエスコートでした。

【ステイヤーズS/シルヴァーソニック】

 前走は天皇賞・春で落馬競走中止。そこからレース間隔があいていますが、調教量は十分すぎるくらいにこなしています。11月16日のCWでのボッケリーニとの併せ馬では先行して先着。この内容から、その後の追い切りでも動くだろうとイメージしていましたが、逆に24日のCWでは3頭併せで一番遅れました。

 そして、最終追い切りのCWでもトーセンアランを追いかけて、手応えが完全に劣勢。ラスト1Fが11.1秒という伸びですから、決して動きが悪いわけではありませんが、追い切りの動きから高い評価をできる、という感じではないと思います。

調教Gメン研究所

やや追い切りの動きに不安が残ったシルヴァーソニック(写真右、11月30日撮影)


【ステイヤーズS/アイアンバローズ】

 昨年の2着馬。昨年はアルゼンチン共和国杯から中3週のローテーションで、1週前追い切りがCWで、最終追い切りが坂路という内容。今回はレース間隔が昨年以上にあいていますが、その分だけ追い切りの本数は増加しています。

 そして、1週前追い切りがCWで最終追い切りが坂路というのは同じパターン。というわけで、この特殊条件において、昨年と同じような状態で出走できるのであれば、ここでリピート好走できる可能性は十分にあると思います。

【チャレンジC/ヒンドゥタイムズ】

 今回のローテーションは前走京都大賞典と同じ中7週。前走は早い段階で追い切りを開始したこともあり、追い切りの本数は坂路とCWで7本。その結果が4着だったと思うので、追い切り本数は少ないよりも多い方がよいタイプかなと思います。

 今回は4本の追い切り。それが理由なのかは分かりませんが、1週前追い切りも最終追い切りもCWで併せ馬に遅れています。相手がチャンピオンズCに出走予定のバーデンヴァイラーだったこともあると思いますが、今回の追い切りの内容はちょっと疑問に思うところもあります。

【チャンピオンズC/テーオーケインズ】

 帝王賞、JBCクラシック、チャンピオンズC。このローテーションは昨年と同じです。ただ、着順は違うだけに、そのリズムからいけば、JBCを勝った今年は昨年と違うだけに、連覇はどうなんだろうと思ってしまうかも知れません。でも、今年の帝王賞はその結果が予測できる状態でしたし、JBCに関しては程よく仕上がったという感じ。

 だからこそ、今回は上積みがある状態だと想定していましたし、1週前追い切りのCWでの動きを見ると、主観的ではありますが、それを感じることができました。最終追い切りはいつも通り、坂路で単走。4F目が最速になるラップを踏むことができていますし、あとは映像でどんな動きだったかを確認して、最終的な結論を導き出そうと思います。

調教Gメン研究所

程よく仕上がった上積みがある状態のテーオーケインズ(写真右、11月23日撮影)


【チャンピオンズC/クラウンプライド】

 JRAでのレースはヒヤシンスS以来ですが、JRAでのレースの最終追い切りはすべて坂路。ちなみに日本テレビ盃もJBCクラシックもレース直前となる週末の追い切りは坂路でしたが、週中にはCWでの併せ馬の負荷をかけているというパターンでした。

 今回は中3週ということもあってか、週中、週末ともに坂路だけのパターン。もちの木賞が同じようなローテーションで同じパターンでしたから、これが参考になろうかと思います。ただ、1週前追い切りは併せ馬で一度抜け出したのに、ゴール前で差し返される内容。ちょっと気になっていましたが、最終追い切りは坂路で4F51.0秒。速い時計を出して好走した実績があるだけに、これを含めて、総合的な評価をどうするか悩みそうです。

◆次走要注意

・11/26 キャピタルS【ララクリスティーヌ】(2人/1着)

 これまで1400mの実績はあっても、マイル実績は1戦1勝。しかも2勝クラスで挙げたものですから、東京マイルをこなしたのは大きな収穫。これでヴィクトリアMへ視界良好だと思います。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りがCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中京ダート1800m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 昨年のチャンピオンズCは◎◎◎で決着。特にレースが淀みなく流れるここではトラックと坂路の双方が重要になるということ。今年の出走馬は案外、追い切り本数が標準以上の併用系統の該当馬が少ないだけに、まずはここで絞ってみてもよいかも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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