スマートフォン版へ

競馬と個人的な十大ニュース

  • 2022年12月22日(木) 12時00分
 今回は、私が思う「2022年競馬十大ニュース」を中心に紹介したい。有馬記念が終わらないうちにその年の十大ニュースを決めるのは難しいのだが、今年の公開はこれがラストなので、やるなら今しかない。

 今年は有馬記念が「年度代表馬決定戦」になりそうだ。どの馬が勝つかによって、ニュースの内容もランキングも変わってくる。ならば、まず、その馬が有馬記念を勝った場合はどんなニュースになり、どのくらいのインパクトになるか、順位をつけてみよう。

【有馬記念を勝った場合のインパクトランキング】

1位 エフフォーリア …… 1年ぶりの勝利、それもグランプリとなれば、「奇跡の復活劇」として大騒ぎになる。

2位 ボルドグフーシュ …… 福永祐一騎手が現役最後のグランプリで初制覇となると、ドラマチック。

3位 ジェラルディーナ …… レース史上初の母娘制覇となり、ニュースバリューが高まる。

4位 イクイノックス …… 名実ともに強い3歳世代のナンバーワンとなり、年度代表馬(の最有力候補)に。

5位 タイトルホルダー …… 今年GI3勝目となり、文句なしでこちらが年度代表馬(の最有力候補)に。

6位 ヴェラアズール …… ダートから芝路線への転向で大成功し、年度代表馬の有力候補に。逆パターンのジュンライトボルトがチャンピオンズカップを制したことと絡め、「路線転向組が大ブレイク」というテーマで語ることもできる。

 といったところか。ほかの馬が勝った場合は、JRA平地GIでの1番人気連敗記録のニュースのなかで、波乱の例として挙げることになりそうだ。

 では、私が現時点で思う「2022年競馬十大(重大)ニュース」を、どうぞ。

【2022年競馬十大ニュース】

1位 武豊騎手ダービー最多6勝目
……間違いなく「世界一の武豊ファン」である松島正昭氏が代表をつとめる株式会社キーファーズ所有のドウデュースで達成。自身の最多勝記録を更新した。

2位 凱旋門賞日本馬4頭惨敗
……日本馬過去最多の頭数で参戦ということで期待されたが、タイトルホルダーの11着が最高着順だった。

3位 大物騎手が引退発表
……福永祐一騎手が来年2月限り、ランフランコ・デットーリ騎手が来年限りでの引退を発表した。

4位 エリザベス女王逝去
……オーナーブリーダーとしても知られた女王が9月に崩御。ディープインパクトの3代母ハイクレアも生産・所有した。

5位 今村聖奈騎手大活躍
……12月17日、JRA史上5人目のデビュー年50勝に到達。それまでデビュー年に50勝以上したのは、1960年加賀武見氏(58勝)、87年武豊騎手(69勝)、96年福永祐一騎手(53勝)、2008年三浦皇成騎手(91勝)。

6位 オジュウチョウサン引退
……「障害界の絶対王者」にとって、今週土曜日の中山大障害がラストランとなる。有終の美を飾ってほしいが、とにかく無事に戻ってきてほしい。

7位 JRA平地GI1番人気連敗記録更新
……フェブラリーステークスから菊花賞まで15連敗。昨年のホープフルステークスからは16連敗。天皇賞・秋でイクイノックスがストップした。

8位 若手騎手のGI初制覇続出
……スプリンターズステークスでデビュー7年目の荻野極騎手、秋華賞で同じく7年目の坂井瑠星騎手、チャンピオンズカップで9年目の石川裕紀人騎手がGI初制覇。若手ではないが、高松宮記念で16年目の丸田恭介騎手も。

9位 ソダシ今年も活躍
……年明け初戦のフェブラリーステークスで3着と頑張り、ヴィクトリアマイルでGI3勝目をマーク。マイルチャンピオンシップでも3着に好走するなど、今年も「つよ美しい」ソダシが健在。

10位 関係者が勲章、褒章を受賞
……柴田善臣騎手が黄綬褒章、尾形充弘元調教師が旭日双光章を受章。また、藤沢和雄元調教師がJRAの調教師顕彰者に選出された。

その他(順不同) オメガパフューム引退/芝⇔ダート転向組大活躍/外国人騎手、短期免許再開で大活躍/サウジ、ドバイで日本馬活躍/米フライトライン、欧バーイード活躍/負担重量引き上げとダート路線の変更発表/3月の地震で福島開催変更/名馬の死

 そして、個人的な十大ニュースも。

1位 田原成貴氏に久々のインタビュー
2位 仕事場をリフォーム
3位 今年も相馬野馬追から八戸、三沢へ
4位 久々に番組ナビゲーター(来月OA)
5位 2023年カレンダーのコピー執筆
6位 吉川良氏、木村幸治氏ら大先輩と久々にお話を
7位 優駿エッセイ賞出張授賞式
8位 文字起こし機能付きICレコーダー導入
9位 マンションの大規模修繕委員に
10位 リアップから湘南美容クリニックに変更

「久々」が3つあるのはいいとして、仕事のネタが乏しすぎる。この一年、私は何をしていたのだろう。来年の目標は、「仕事のネタだけで個人的十大ニュースを成立させること」にしたい。

 それではみなさま、よいお年を。

当コラムの次回更新は1月12日(木)12時予定です。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

作家。1964年札幌生まれ。Number、優駿、うまレターほかに寄稿。著書に『誰も書かなかった武豊 決断』『消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡』(2011年度JRA賞馬事文化賞受賞作)など多数。netkeiba初出の小説『絆〜走れ奇跡の子馬〜』が2017年にドラマ化された。最新刊は競馬ミステリーシリーズ第6弾『ブリーダーズ・ロマン』。プロフィールイラストはよしだみほ画伯。バナーのポートレート撮影は桂伸也カメラマン。

関連サイト:島田明宏Web事務所

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング