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ドゥラメンテ産駒今年6つ目のGI制覇 2代母マルペンサも資質の確かさを証明

  • 2022年12月29日(木) 18時00分

■先週の血統ピックアップ


・12/28 ホープフルS(GI・中山・芝2000m)

 逃げたトップナイフと2番手ドゥラエレーデの一騎打ちとなり、外のドゥラエレーデが首の上げ下げでハナ差先着を果たしました。14番人気、単勝90.6倍の大穴です。引っ掛かるところがあるため、これまで素質を出し切れなかったのですが、3年連続ドイツリーディングジョッキーの名手ムルザバエフ騎手が2番手でうまく折り合いをつけました。

 父ドゥラメンテはタイトルホルダー、スターズオンアース、リバティアイランドなどの父。今年だけで6つ目のGI制覇となります。そして、JRA2歳戦のラストレースで1着賞金7000万円を上積みしたことにより、エピファネイアを逆転してJRA2歳種牡馬チャンピオンの座に就きました。JBISが集計した数字(付加賞を含む)によれば、1位ドゥラメンテと2位エピファネイアの差はわずか86万8000円です。

 母マルケッサは未勝利馬ですが、サトノダイヤモンド(有馬記念、菊花賞)の半妹にあたる良血。南米アルゼンチン出身の2代母マルペンサは10歳で早世したため、血を受け継ぐ娘は2頭しかいません。母マルケッサはそのうちの1頭です。マルペンサは孫の代からもGI馬を出したことで、伝える資質の確かさを証明したといえるでしょう。

・12/28 新馬戦(中山・芝2000m)

 ハナを切ったオールザタイムが後続の追撃を寄せ付けず、2馬身半差で逃げ切りました。師走の中山芝2000mの新馬戦を勝った牝馬は、昨年までの直近10年間に5頭います。そのうち、ウインマリリン(香港ヴァーズなど重賞4勝)とデアレガーロ(京都牝馬S)が重賞を勝ったように、勝ち馬のレベルの高さが目立ちます。

 勝ったオールザタイムは2017年にホープフルSを勝ったタイムフライヤーの全妹。母方にブライアンズタイムを持つハーツクライ産駒は、他にマジックタイム、マテンロウレオ、ハーツイストワールなどが出ています。全兄タイムフライヤーはのちにダート路線に鞍替えしてエルムSを勝ちました。オールザタイムは牝馬なので、兄とは違ってパワー型の資質が前面に出てくることはないのでは、と思います。スタミナを要するレースで楽しみな馬です。

■今週の血統注目馬は?


・1/7 初春S(3勝クラス・中山・ダ1200m)

 中山ダート1200mと相性のいい種牡馬はリオンディーズ。連対率33.3%は、2012年以降、当コースで産駒が20走以上した192頭の種牡馬のなかで第2位。当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワンです。ケイサンフリーゼはリオンディーズ産駒。当コースは過去1戦1勝。得意コースに戻る今回はおもしろいでしょう。

■今週の血統Tips


 2022年のJRA2歳戦でエピファネイアは35勝を挙げました。2位ドゥラメンテに11勝差をつける断然のトップ。しかし、ドゥラメンテがリバティアイランド(阪神ジュベナイルフィリーズ)、ドゥラエレーデ(ホープフルS)という2つの2歳GIを勝ったことで、最後の最後に獲得賞金トップの座から陥落してしまいました。

 じつは昨年も、ホープフルSの直前までJRA2歳リーディングサイアーの座にあったのですが、ディープインパクトがホープフルSでワンツーフィニッシュ(1着キラーアビリティ、2着ジャスティンパレス)を決めたことで、逆転を許しました。種牡馬デビュー以来、JRA2歳種牡馬ランキングの順位は5→5→2→2位。2023年の2歳世代の血統登録頭数は、今年よりも6頭多い160頭。デビュー以来最多です。今度こそ、でしょう。

当コラムの次回更新は1月10日(火)18時予定です。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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