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【シンザン記念・フェアリーS】若駒たちが課題と向き合う試練

  • 2023年01月07日(土) 12時00分

新馬直行組か、それともキャリア組か



 新しい年、明け3歳馬の本格的出番がやってくる。新風を吹き込む若駒たちだが、乗り越えなければならない試練が待っている。大舞台への夢をかなえるため、なにかを克服して重賞を手にし弾みをつけたい。特に、この寒い時期に出走してくるのには、それぞれがなにがしかの課題をかかえていて、その先を見すえる為の結果を出しておかねばと挑んでくる。シンザン記念、フェアリーSに出走してくる馬たちには、まだ、確たるものがない。ここでどんな走りを見せるか、しっかり賞金を得て次のステップに立ち向かう地保を固めておきたい馬たちばかりだ。この一戦で何を得たか、そこをしっかり確認しておきたい。

 シンザン記念は、その後のタイトル馬を多く輩出しているが、最近では特に牝馬が目立っている。2012年の勝ち馬ジェンティルドンナ、5年前のアーモンドアイの三冠牝馬は、どちらもそれまで2戦1勝、3戦目でここが初重賞制覇だった。デビュー戦は2着に敗れたが、2戦目は1600米で買っているという共通点もあった。

 3年前に勝った牝馬のサンクテュエールも2戦1勝でここに挑戦していたが、これはマイルの新馬勝ちからアルテミスS2着を経てここを目標にしていた。前半は行きたがって折り合いに課題を残したジェンティルドンナは、ラスト200米ですっと抜け出した決め手が光っていたし、スタートでアオリ気味でも慌てることなくじっくり後方で構え、直線大外へ出て圧巻の末脚を披露したアーモンドアイ、この2頭のレースは、特に印象深いものがあった。

 一方の牡馬は、勝ち馬ではミッキーアイルがNHKマイルCやマイルCSのGI馬になったり、ピクシーナイトがスプリンターズSの覇者になってはいるが、それほど目立った存在とは言えない。2011年の2着馬オルフェーヴルが三冠馬になったのが唯一光り輝く存在で、その点、今年がどうなるか注目したい。

 この時期、キャリア1戦だけでここに出てくる馬が必ずいるが、4年前のヴァルディゼールは京都1600米の新馬戦を勝って2戦目がシンザン記念の勝利になっていた。総じてキャリア1戦組は、マイルで勝っていることが好走の条件と言えることも加えておきたい。今年なら、ライトクオンタム、クファシルが、トーホウガレオン、ペースセッティングのキャリア組とどんな戦いを見せるかだ。

 一方、牝馬のフェアリーSは、中山の1600米で外回りのタフな馬場コンディションという点を気にしたい。この10年で逃げ切りが4頭、中団からの差し切りが6頭と展開をどう読むかがポイントになる。重賞大敗からの巻き返しもあるし、実績にとらわれることのないレースだ。中山のマイルで新馬勝ち、牡馬相手の2戦目がクビ差の2着というヒップホップソウルにキタウイング、ミシシッピテソーロのキャリア組、距離を延ばしながら2戦2勝のメイクアスナッチあたりを。

「どうなるか やってみたのが このレース」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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