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目標の60歳に向け“最後の足掻き” 世界の名手をモデルに新たなフォームを研究中!

  • 2023年01月17日(火) 18時01分
太論

▲2023年も進化し続ける小牧騎手に注目(c)netkeiba.com


小牧騎手が今週からいよいよ始動! 抽選などもあり、騎乗馬はまだ流動的ではありますが、久々の競馬に向けて体作りに励んでいるようです。その内容も過酷で、とても50代半ばとは思えない徹底ぶり。さらに木馬でのフォームチェックにも余念がなく、まだまだ進化を模索する姿には感動すら覚えます。「まずは1勝」と小牧騎手。2023年、スタートです!

(取材・文:不破由妃子)

階段昇降にヨガにランニングに……自分をいじめて足掻いてます!


──いよいよ今週から小牧さんの2023年が始まりますね。

小牧 ねぇ。やっと始まるわ。今日はトレーニングに行って、そのあとはホットヨガに行く予定。ちょっと体重を落とさなアカンから。

──ホットヨガ、今も通われていたんですね。

小牧 やってる、やってる。よう体動かしてんで。ヨガはホンマに続いてるね。今でも週に3回は行ってるよ。

──週3回! それはすごい。

小牧 インストラクターになろうかなって思ったこともあったよ。

──またまた…。

小牧 いやいや、ホンマに! ヨガのインストラクターは本当の話。一時期ね、免許を取ろうかなって本当に思って、通ってるところの先生に相談したこともあんねん。でも、ジョッキーという職業柄なのか、肩関節がむちゃくちゃ硬くて。

──それはなぜですか?

小牧 ずっと前かがみの同じ姿勢ばかり取っているから。もうね、固まってしまってんねん。それがあるからね、インストラクターにはなれへんなと思って。

──できないポーズがあるんですね。あ、鳩のポーズとか!?

小牧 そうそう! ああいうのができない。10年くらい続けているのに、いまだに肩が回らへんもんね。ああいうポーズが難なくできるようになったら、マジでヨガのインストラクターの資格を取ろうと思ってたんやけどなぁ。あと今はね、一生懸命調整ルームの木馬に乗ってる。

──鏡を見ながら、フォームをチェックしたり。

小牧 うん。追い方とかもね、何がいいかなと思いながら、いろいろやってみているんやけどね。

──目指している形があるんですか?

小牧 目指しているわけではないけど、理想としては、やっぱりムーアでしょう。ムーアが一番追えるなと思うから。意識しながら乗ってみたりしているけど、なかなかできへんなぁ。まぁ何十年も乗ってるからねぇ。そう簡単には変えられへん。

──ムーア騎手を意識して乗った場合、これまでの自分とは何がどう一番違う?

小牧 やっぱり膝かな。ムーアは膝を視点に乗ってるからね。膝を視点に、腰を入れて乗ってるやん。何が正解かはわからんけどね、いろいろやってみようかなと思ってね。

──50代半ばにして、新しい自分を模索中。素晴らしいです。

小牧 それと、最近は階段の昇り降りをしてるわ。最寄り駅に、すごく長い階段があるでしょう。あそこを昇って降りて昇って降りて……6往復くらいしてる。それが終わったら、今度は走りに行く。

──いじめてますねぇ。

小牧 そうやね。自分の体をいじめて、もがいているというか、足掻いているというか。目標の60歳まであと何年かしかないからね、最後の足掻きや。

──さて、今週ですが、ワンダーブレットが土曜日の小倉メイン(小倉城特別・ダ1700m)に登録していますね。

小牧 ワンダーブレット、もしかしたら入らんかもしれん。頭数多いやろ?

──フルゲート16頭のところ、25頭が登録していますね。

小牧 せやろ? まぁわからんけどね。1700mなら面白いと思っていたから、何とか入ってほしいんやけど…。ただ、ワンダーが入らんかったとしても、中京で新馬に乗れそうなんでね。ワンダーが入ったら小倉に行くけど、新馬の追い切りには乗っておこうと思ってる。あと、ハワイアンパレスも中京やね。

──では、最後に質問をひとつ。「いつも楽しく読ませてもらっています。2歳にガンバルフトシという馬がいると知り、今からデビューが楽しみです。馬主さんとはお友達とのことですが、サワーホマレーといい、ガンバルフトシといい、おふたりで相談して馬名を決めているのですか? ガンバルフトシはクリダームの下ということで、活躍を期待しております!」。

小牧 いや、話し合って決めているわけではないよ。伊藤さんが勝手に付けて、僕には事後報告や。ガンバルフトシって聞いたときは、申請が通らんやろうなと思っていたんやけど…。通るんやね。1歳にも伊藤さんの馬がスタンバイしていて、前にもここで話したと思うけど、その馬はヤルキゲンキフトシって付けようかなって言ってた(笑)。

──“フトシ・シリーズ”乞うご期待(笑)。馬名に自分の名前が入るなんてなかなかないことかと思いますが、ご本人としてはうれしいものですか?

小牧 うれしいというより、走ったら面白いやろうなとは思うけどね。話題にはなるやろうから。でも、いざデビューしたら、競馬場でファンの人たちにからかわれるんやろうなぁ(笑)。まぁとにかく無事にね、デビューまでこぎつけてくれたらいいなと思ってます。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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