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【AJCC・東海S】年長馬の好走なるか

  • 2023年01月21日(土) 12時00分

それまでの実績から見えてくるもの


 アメリカJCCは、時折、年季の入った年長馬が好走することがある。中山外回りの2200米、とにかく難しいコースに加え、この時期の馬場だから、ハードルは高い。中山巧者と言っても、正確には中山のこの距離に合うものという条件をつけ加えたい。

 さらに、向正面の外回りコースに入ってから最終コーナーまでがほぼ真直ぐで、どうしてもスピードの持続力が必要だ。それに応えるには、近走だけでなく、それまでの実績も考慮しなければならない。

 大波乱だった昨年は、6歳馬キングオブコージが勝ったが、スタートで後れ後方から2番手。一番人気オーソクレースが好位の外目を回ってジリジリとスタミナを消耗させられたのに対し、リラックスして追走し、3コーナーから大外を回って進出、直線坂を上がっても脚色は衰えず、メンバー最速の上がりで突き抜けていた。

 4歳時目黒記念を勝ち、続く京都大賞典で3着と波に乗っていたが、直後に種子骨の骨折で休養、11か月ぶりに一昨年のオールカマーで復帰、続く中日新聞杯5着で前進し、久々にタイトルも得ていたのだった。

 そして2着に入ったのが11番人気の7歳馬マイネルファンロンだった。大外枠から出て後方でじっくり構えて3、4コーナーで6番手に進出、直線もしぶとく脚を伸ばしていたが、前年の9月に新潟記念を好タイムで勝っていたし、中山の2200米にも勝星があり、ステイゴールド産駒らしい中距離の実績はあった。

 1、2着馬とも近走の悪さから人気を下げていたが、巧く折り合ったときの力は、実績を見ればはっきりしていたのだった。

 今年はどうか。躍進をみせる明け4歳馬世代からは、セントライト記念でのちの菊花賞馬アスクビクターモアを下していたガイアフォースを。跳びが大きく菊花賞では内枠で苦労させられていた。もう一頭のエピファニーは、4連勝中で底を見せていないが、初距離に初重賞ではそんなに楽ではない。ここを突破できれば先が楽しみと見ていいが。

 これより6歳馬バビットが面白い。昨年のオールカマーで19ヶ月ぶりに復帰したが、3歳時セントライト記念を勝っていて、自分で競馬をつくっていける強味を生かせれば面白い。

 そして、一昨年のオークス馬ユーバーレーベン。7戦連続馬券圏外だが、今の馬場で外回りコースなら狙えると期待してみたい。

 もうひとつの東海Sは、フェブラリーSへの優先出走権がかかっていて、過去コパノリッキー、インティが連勝してダート界の頂点に立ったことがある。そこまで見通せる馬をみつけたい。

 2走前の太秦Sで屈腱炎から復活したハギノアレグリアス、キャリア7戦目で重賞初参戦プロミストウォリアの6歳馬2頭に注目している。プロミストウォリアも脚部の故障が度重なり、ようやくここまで来られた一頭で、さらなる飛躍を願いたくなる馬だ。

 ダート界の新星を探してみよう。

「思いのせ 冬空高く 舞い上がれ」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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