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ディープインパクト最終世代の現地評価は ヨーロッパ2歳ランキング発表

  • 2023年01月25日(水) 12時00分

ここ3年間で最も高い評価を獲得した馬とは


 ワールドランキングと同じ1月18日に発表された、2022年ヨーロッパ2歳ランキングを検証したい。

 レイティング124を獲得し、ヨーロッパ2歳チャンピオンと認定されたのは、エイダン・オブライエン厩舎のリトルビッグベア(牡、父ノーネイネヴァー)だった。評価の対象となったのは、後続に7馬身という圧倒的な差をつけて優勝した、8月6日にカラで行われたG1フェニックスS(芝6F)だった。

 124というのは、2歳の首位としてはここ3年間で最も高い評価である。すなわち、G1デューハーストS(芝7F)を制して120を獲得した20年のセントマークスバシリカよりも、G1ナショナルS(芝7F)など2つのG1を含む無敗の4連勝を飾って122を獲得した21年のネイティヴトレイルよりも、22年のリトルビッグベアの方が能力は上と、公式ハンディキャッパーたちは見立てたわけだ。

 愛国産馬ながら仏国のアルカナ8月1歳セールに上場され、クールモアの代理人に32万ユーロ(当時のレートで約4181万円)で購買されたのがリトルビッグベアだ。昨年5月にネースのメイドン(芝5F)を制しデビュー2戦目で初勝利を挙げると、続くロイヤルアスコットのLRウインザーキャッスルS(芝5F)も連勝。さらに、カラのG3アングルシーS(芝6F63y)を制し重賞初制覇を挙げると、前述したG1フェニックスS(芝6F)を7馬身差で快勝し、G1初制覇を果たした。

 その後は、筋肉痛が出て戦線を離脱。回復は順調で、既に乗り込みを行なっており、今季初戦は5月6日にニューマーケットで行われるG1英二千ギニー(芝8F)になる模様だ。

 同馬がクラシックで戦えるかどうかは、ひとえに、距離延長に対応できるかどうかにかかっている。父ノーネイネヴァーはG1モルニ賞(芝1200m)勝ち馬で、リトルビッグベアが持つスピードの供給源となっている。一方で、G1サセックスS(芝8F)を制したアルコールフリーや、南米のチリでG1ラスオークス(芝2000m)を制したブルックなど、ノーネイネヴァーからは距離をこなす産駒も出ている。リトルビッグベアの母は、カナダのG1EPテイラーS(芝10F)で入着を果たしたアドヴェンチャーシーカーで、3代母は凱旋門賞馬オールアロングと、背景に持つ牝系はスタミナが豊富だ。

 ヨーロッパ2歳ランキングの第2位は、首位から5ポンド差のレイティング119で、ブラックベアード(牡、父ノーネイネヴァー)と、シャルディーン(牡、父フランケル)が横並びとなった。

 G1モルニ賞、G1ミドルパークS(芝6F)という2つのG1を含め、いずれも6Fの重賞を4勝したのがブラックベアードだ。だが同馬は、昨年10月に右膝に骨折を発症。2歳シーズンをもって現役を退き、今年の春から種牡馬として供用されることになった。

 一方、G1デューハーストSを含めて、いずれも7Fの重賞を3勝したのが、アンドリュー・ボールディング厩舎のシャルディーンだ。同馬の主戦は、2023年シーズンをもって現役を退くことを表明しているフランキー・デットーリで、彼にとって最後となるクラシック戦線で勝利をあげることが出来るかどうかに、大きな注目が集まっている。 1ポンド下のレイティング118には、オーギュストロダン(牡、父ディープインパクト)、ロイヤルスコッツマン(牡、父グレンイーグルス)、タヒーラ(牝、父シユーニ)の3頭が横並びとなった。

 日本と欧州を合わせて12頭しか登録のないディープインパクトの最終世代の1頭ということで、日本のメディアにも大きく取り上げられているのが、エイダン・オブライエン厩舎のオーギュストロダンだ。2歳7月にネースのメイドン(芝7F)を制し、デビュー2戦目で初勝利を挙げると、続くレパーズタウンのG2チャンピオンズジュヴェナイルS(芝8F)を制し重賞初制覇。次走は英国に遠征し、ドンカスターのG1フューチュリティトロフィー(芝8F)を3.1/2馬身差で制して、2歳シーズンを締めくくっている。

 母がG1オペラ賞(芝2000m)を含めて3つのG1を制した他、G1英オークス(芝12F6y)で2着となっているロードデンドロンで、その父はガリレオという血統背景を持つオーギュストロダンは、6月3日にエプソムで行われるG1英ダービー(芝12F6y)へ向けた前売りで、抜けた1番人気に支持されている。

 シャルディーンが制したG1デューハーストSで、頭差の2着に入ったパフォーマンスが評価され、レイティング118を獲得したのが、ポール&オリヴァー・コールが管理するロイヤルスコッツマンだ。

 そして、同じく118を得て、牝馬としては首位に立ったのが、ダーモット・ウェルド厩舎のタヒーラである。アガ・カーン殿下による自家生産馬で、LRオイスターS(芝12F)など準重賞を2勝した他、G3カラC(芝14F)など2つの重賞で入着したタラナの3番仔にあたるのがタヒーラだ。4歳年上の半姉に、G1BCターフ(芝12F)など3つのG1を制したタルナワがいるという良血馬である。2歳7月にゴルウェイで行われたメイドン(芝7F)を5.1/2馬身差で制し初戦勝ちを飾ると、次走はいきなりG1モイグレアスタッドS(芝7F)に参戦。

 中団から鋭い末脚を繰り出し、2.1/4馬身抜け出して優勝して、2戦2勝で2歳シーズンを終えた。同馬は、5月7日にニューマーケットで行われるG1英千ギニー(芝8F)の前売りでも、6月2日にエプソムで行われるG1英オークス(芝12F6y)へ向けた前売りでも、1番人気に支持されている。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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