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第131回プリークネスS展望

  • 2006年05月16日(火) 23時52分
 第131回プリークネスSの発走が、今週の土曜日に迫った。

 ケンタッキーダービーでバーバロ(父ダイナフォーマー)が見せたあまりの強さに恐れをなした陣営が多く、一時はわずか6頭までシュリンクする可能性があったプリークネスSのフィールドだが、ここへきて新たにポツリポツリと出走の可能性を示唆する馬が出てきており、現地時間の8日(月曜日)夕刻の段階では、最少で7頭、最大で10頭立てとなる見通しとなっている。

 まず、バーバロ以外のケンタッキーダービーからの転戦組は2頭。

 中でも、バーバロとの勝負付けが終わったわけでないと、本気で雪辱を狙っているのが、西海岸のトップホース・ブラザーデレク(父ベンチマーク)だ。ケンタッキーダービーでは、20頭立ての18番枠と枠順に恵まれず、道中外々を廻らされ、なおかつ落鉄の不運に泣いたブラザーデレク。まともな競馬が出来れば、前走でバーバロとの間で開いた9.1/2馬身差は逆転可能と陣営は踏んでいる。

 もう1頭のダービー組は、1番人気で7着と敗れたスウィートノーザンセイント(父スウィートサウザンセイント)だ。こちらもケンタッキーダービーでは、スタート直後に馬群がごちゃついた際にポジションを落とし、持ち前の先行力を活かせず敗れており。少頭数のプリークネスSで、9.1/2馬身差の圧勝を演じた前々走イリノイダービーの再現を狙っている。

 ケンタッキーダービー組以外で、出走が確定している馬では、ライクナウ(父ジュールズ)が実績上位。3月にアケダクトのG3ゴーザムSを制した時には、実際にスウィートノーザンセイントを3着に退けており、前走G2レキシントンSも、その後ケンタッキーダービー6着とまずまずの競馬をしたショウイングアップの2着と、悪くないパフォーマンスを見せている。

 4月22日に行われた地元の最終プレップレース・フェデリコテシオSを5.1/2馬身差で快勝したアーデイ(父マリブムーン)は、月曜現在では出否未定。強い相手と戦ったことはないが、成績は終始安定しており、出てくれば馬券の対象にはなっておかしくない馬だろう。

 さて肝心のバーバロは、本拠地のフェア・ヒル・パークで軽めながら順調に調整を積まれており、ピムリコへは本番前日の金曜日に輸送予定となっている。

 ここへきていくらか心配なのが、お天気だ。ピムリコ地区は日曜日夜半から月曜日にかなりの雨が降り、週後半の木曜、及び、金曜にも風をともなった雨が予想されている。つまりは、パンパンに乾いたダートは期待できず、重たい馬場への対応が勝負を分けるファクターとなる可能性が出てきたのだ。

 2月にフロリダでハッチスンSを制した際に泥んこの馬場を経験しているバーバロ、2月にローレルの特別を10馬身差勝ちした際の馬場が泥んこだったスウィートノーザンセイントらは、問題なさそう。一方、デビューからこれまで9戦すべてFastの馬場発表だったブラザーデレクには、新たな懸念材料が出現したと言えるだろう。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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