スマートフォン版へ

【頂上対談】戸崎圭太騎手×川田将雅騎手(4) タイプとしては“対極”のふたり──ともに頂点を極められたのはなぜか?

  • 2023年02月09日(木) 18時01分
“VOICE”

▲性格も騎乗スタイルも対極なおふたり(撮影:福井麻衣子)


ともに日本競馬界のトップに立ちながらとても仲が良いおふたり。しかし、騎乗スタイルや性格といったタイプは対極で、互いに学ぶことが多いと言います。

“強烈な自我”を持つイメージのある川田騎手、対して“自分というものがない”と話す戸崎騎手。正反対だからこそ互いに影響を与え合う。そんなおふたりの掛け合いから、正解のないジョッキーという仕事の奥深さが見えてきます。

(取材・構成=不破由妃子)

「俺と将雅は本当に極端に違うよね」


──2019年に戸崎さんにインタビューさせていただいたとき、「僕には“自分”というものがない」とおっしゃっていて。片や川田さんは、強烈な自我がある。ともに頂点を極めたトップジョッキーでありながら、タイプとしては対極にあるおふたりですよね。

戸崎 ホントですよねぇ。

川田 (福永)祐一さんもそうですし、戸崎さんもそうですけど、僕とは全然違う人間だからこそ、仲良くさせていただけるのかなと思いますね。僕と似たような人間と一緒にいたら、腹が立ってしょうがないと思いますから(笑)。

戸崎 うん。それは間違いないね(笑)。

川田 まったくタイプが違うからこそ、仕事の仕方や馬との向き合い方など、学ばせていただくことも多いです。

──自分にはない相手のストロングポイントにも、気づきやすいのでは?

川田 そうですね。戸崎さんは、競馬においても「俺が俺が」の主張が少ない人。乗り方にしても、馬のリズムとバランスを一番大事にされていて、僕みたいに無理やり動かしたり、無理やりポジションを取りに行ったりといったことも少ない。スムーズにレースを組み立てながら、スムーズにその馬の能力を発揮させる…、そんなイメージがあります。フォームは違えど、やっぱり祐一さんと似ている部分が多いと思いますね。

“VOICE”

▲戸崎騎手と福永騎手は似ている部分が多いと感じるそう(撮影:福井麻衣子)


──そうかもしれませんね。

川田 僕とは違うアプローチの仕方をされているので、僕にもそういう部分を取り入れて、違いを埋めるというか、ジョッキーとして引き出しを増やせればいいなと思ってずっとやってきたし、実際にそのための試行錯誤を繰り返してきた結果が今なので。やはり、違うからこそ、学べることも多いんですよね。僕、戸崎さんのこと、本当に観察してますよ。だから、戸崎さんの心境の変化にも気づけた。ただ漠然と見ているわけではありませんからね。しっかり見てますから。

戸崎 言われて改めて実感しているけど、俺と将雅は本当に極端に違うよね。将雅が言うように、その違いは馬乗りにも出ているし、やっぱり馬を動かすというか、俺にはできないことを将雅はしている。俺もね、そういう騎乗を求めていた時期もあったんだけど、なんか求めすぎて、リズムが狂っちゃって

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング