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【福永祐一×藤岡佑介】「“勉強の仕方”の勉強をしてた」調教師試験合格の秘密は驚異的なメリハリにあった/第2回

  • 2023年02月15日(水) 18時01分
“with佑”

▲試験への準備、裏側が明かされます(撮影:桂伸也)


日本中を駆け巡った福永騎手の引退報道。コントレイルとの三冠達成も記憶に新しく、まだまだ現役というイメージのある中での報道は驚いた方も多くいたはず。しかしさらに驚かされたことは、ジョッキーとしての乗り鞍を減らさず、年間101勝を挙げながら調教師試験に一発合格という超人ぶり。

今回はそんな福永騎手がどうやって試験への準備をしてきたのか、競馬関係者に悟られないように過ごした裏側まで明かしてくれました。

(取材・構成=不破由妃子)

試験10日前でも子供たちと遊んでいた「そのメリハリは何なんですか!?」


──佑介さんは、福永さんが調教師試験に向けて勉強を始めたことをご存じだったんですか?

佑介 僕はマジで全然知らなかったです。噂レベルでは聞いていたけど。

祐一 噂なんて、何年も前からあったよな。

佑介 そうですね。祐一さんに限らず、ジョッキーに対して「あいつ、そろそろ辞めるんちゃうか」みたいな噂をする人は毎年いるから。だって、僕ですら去年、「試験、落ちたんやろ?」って言われましたからね。「受けてへんわ!」言うて(笑)。そうやって、火のないところに煙が立つ業界なので、ホンマに。ただ、レースとレースの合間はいつもゲームをやっている祐一さんが、去年はたまに競馬施行の本とかを見ていたから、自分のなかで勝手に「そろそろなんかなぁ」とは思ってましたけどね。

祐一 それも極力控えてたんやけどね。調教師試験を受ける人って、レースの合間とかに競馬番組を見ている人が多い。なぜなら、そこに書いてあることが、けっこう試験の問題に出るから。俺も見たい衝動にかられたんやけど、これを見ていたら絶対にバレるなっていうのと、レースの合間にそれを見るのは、ちょっと誠意がないなと思って。まぁゲームはどうなんやっていう話なんやけど(笑)。

──ということは、ほとんどの関係者が知らなかったということですよね。

祐一 俺が直接「受けるわ」って話した関係者は、藤原英昭調教師と(川田)将雅くらいかな。あと、(武)豊さんにも、一次試験の直前に伝えた。

佑介 ビックリした人もいたでしょうね。

祐一 一次試験に受かったときって、表には合格者の番号しか出ないんだけど、サークル内に出回るリストには、「〇〇厩舎の誰々」って名前が出てくる。で、(三浦)皇成がLINEで一次合格者リストを見たときに、『ほかの人は「〇〇厩舎 〇〇(名前)」って書いてあるのに、厩舎名がなくて、ただ「福永」って書いてある人がいたから、どこの福永さんだろ? と思った』って(笑)。まさか俺のことやと思わんかったらしいわ。美浦の人はとくにやけど、それくらい俺が実際に受けたことは知られていなかったよ。

“with佑”

▲一次試験の結果が出るまではほぼ知られていなかった(撮影:桂伸也)


──それにしても、610鞍に騎乗し、101勝という勝ち星を挙げながらの調教師試験合格。昨年一年間、一体どんな生活をしていたんですか

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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