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【弥生賞予想】人気を裏切ってきた馬は買えるか?

  • 2023年02月28日(火) 12時00分

似たパターンの馬が過去にどれだけ巻き返してきたか…


 今週の弥生賞ではグランヴィノスとタスティエーラが上位人気の1頭となりそう。この2頭は、前走重賞で人気になりながら4着以下に負けてきたという共通項を持つ。タスティエーラは2番人気だったが、1番人気3.6倍に対し3.7倍での2番人気なので、ほぼ1番人気と同様に考えていいだろう。

 今回は、これに似たパターンの馬が過去に弥生賞でどれだけ巻き返してきたかを見てみたい……と書いてはみたが、実は「似たパターン」に該当する馬がほとんど存在しない。

 過去10年の弥生賞に出走した前走重賞1番人気馬は8頭いるが、そのすべてが前走で連対していた。

 前走重賞2番人気馬まで対象を広げると該当馬は2頭いる。2014年、京成杯2番人気11着から弥生賞に来たエアアンセムが8番人気4着。2015年、朝日杯FS2番人気7着から弥生賞に来たブライトエンブレムが4番人気2着。

 過去20年まで広げると、前走重賞1番人気4着以下から弥生賞に来た馬が6頭いる。その成績は[1-2-0-3]で半分は馬券に絡んだ。以上をまとめて考えると、前走で人気を裏切った馬でも今回の巻き返しは期待できそうだ。

 話を弥生賞に限定せず、「2歳〜3歳2月の重賞で1番人気4着以下だった馬が、次走で3歳3〜6月の3歳GII・GIIIに出走したケース」を調べてみると、現4〜13歳世代では[1-3-1-7]で複勝率41.7%。馬券に絡む頻度を考えるとやはり無理にはきれない。

 ただ、このケースでも回収率は単18%・複60%と低め。「人気を裏切ってきた馬の次走」はそれ自体に旨みがある感じではない。抜け目を避けるためにヒモに入れる感じで、期待値の高い軸馬は別から探す必要がある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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