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【フィリーズレビュー予想】抽選対象になる1勝馬はどの程度狙えるか

  • 2023年03月07日(火) 12時00分

さまざまな臨戦過程で挑戦する1勝馬をグループ分けすると…


 今年のフィリーズレビューは、収得賞金400万円の馬=1勝馬が相当数登録しており、抽選争いが激しくなる。今回はこの1勝馬についてデータを振り返ってみたい。

 過去10年のフィリーズレビュー出走馬で同様の立場にあったのは71頭。地方交流を勝って中央での勝利が無かった馬は含んでいる(1頭のみ)が、地方で勝って転入基準を満たし、中央で1勝した馬はもちろん含んでいない。

 ここで整理したいのは、1勝馬といっても前走から今回への臨戦過程はさまざまあるということだ。大きなグループ分けだと

1.前走で新馬や未勝利を勝った馬
2.新馬や未勝利を勝ったあと、前走では1勝クラスに出走して負けていた馬
3.新馬や未勝利を勝ったあと、前走でオープンに格上挑戦して負けていた馬

 先述の71頭はそれぞれどのような内訳だったかというと、

1.に該当する馬は[2-0-0-19]で、勝ったのはノーワンとサブライムアンセム。なにか共通項を見つけるとしたら「芝の良馬場で掲示板外の大敗は無かった」くらいだが、そもそも今年の該当馬は川崎の未勝利交流を勝ってきたジャスパーティアラと、新馬勝ち直後のハートループだけ。2択なら当然後者だが、デビュー勝ち直後でフィリーズレビューの馬券に絡んだのは過去10年どころか1995年3着のタニノルション[未出走戦勝ちからの出走]が最後で、あまり積極的に狙う気はしない。

2.のパターンは[2-0-1-25]。馬券に絡んだ3頭はともに前走2〜5着かつ5番人気以内、また初勝利からフィリーズレビューの間に掲示板外の大敗が無かった。この条件を満たした馬は他にもいたので馬券に絡むための十分条件ではないが、必要条件と考えた場合今年それを満たすのはテンノメッセージとジューンオレンジになる。

3.は[2-0-0-18]で、勝ったのはエーポスとシゲルピンクルビー。この2頭はともに新馬勝ちでかつキャリアが浅かった(3戦と2戦)。今年はスピードオブライト、シングザットソング、プウスカンドゥールが該当してレッドヒルシューズがキャリア4戦だ。

 以上、やや強引に馬名も挙げてみたが、各グループの着度数を見ても分かるように、複勝率はかなり低い。軸はオープン馬の中から取って、いま名前が挙がった馬はその一部に△を打つ程度でよいのではと思う。そもそも抽選を突破しないとシルシもなにもないのだが。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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