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【フィリーズレビュー】優先出走権を得るための課題と戦略

  • 2023年03月11日(土) 12時00分

目下の課題克服なるか


 桜花賞トライアルのフィリーズレビューには、このレースでどんな戦い方ができるかで今後の方針を考えようと出走してくるものが多い。距離が1400米だけに、この先のマイルでの可能性があるのか、それともスプリント戦向きと決めるべきかという見方も、その中にはある。

 もちろん、本番を見据えて優先出走権を得ることが第一だ。今年の顔ぶれを見ると重賞の勝ち馬は2頭だけだから、大部分がそうだと見るべきだろう。この2頭のうち、ブトンドールは函館2歳S1200米、リバーラはファンタジーS1400米の勝ち馬だから、前走の阪神JFの大敗を考えると目下の課題はマイル戦でどう戦うのかとはっきりしている。このトライアルでは、その点を見逃さないようにしたい。

 阪神の内回り1400米は、3角から下り匂配が続き息が入りにくいので前傾ラップの流れになり速いペースになりやすい。逃げ、先行馬よりも、圧倒的に上がりの速い馬の成績がいい。基本はスピード勝負だから、先に行くなら、よほど我慢が利くものでなければ駄目というのは分かる。単純に、上がり最速馬の成績がいいと決めて考えたい。

 昨年の勝ち馬サブライムアンセムは、前走6戦目で初勝利を挙げたばかりだったが、それまで阪神の1400米では2着2回、それも速い上がりで駆けていて走り慣れていた。2番人気と信頼も厚かったが、15頭立ての4番枠から出て道中は11番手。絶好の手応えで直線に向くと、わずかなスペースをついて進出し一気に抜け出していた。

 上がり3ハロンが最速の34秒2、走破タイムは1分19秒9の堂々のレースレコードをマーク、フィリーズレビューの勝ち方の典型を見せてくれていたと言っていい。テンの3ハロンが33秒5、半マイルが44秒9というハイペースで、これを勝つにはこの芸当が出来ることもひとつのポイントと考えてみたい。サブライムアンセムは7戦して2勝目がこの一番だったが、2着が3回もあり、テンションが上がりやすいという課題を克服しつつあったことをつけ加えておきたい。

 今年の顔ぶれの中では、1400米で競馬のしやすいのがブトンドールで、前残りで差しが利かなかった阪神JF10着からの巻き返しを期待したい。リバーラは速いペースで自分のリズムで走れるのか、多頭数だけに押えにするのが妥当だろう。前走連勝で2勝目を上げた3頭、トラベログ、ポリーフォリア、ルーフは、どれだけためを利かせられるかがポイントになる。

 先行して自分のリズムで走ることを念頭に戦うとなると、1200米で逃げて最速の上がりで4馬身差をつけ、前走はやはり1200米で好位でためを利かせて勝ったルーフに、可能性がありそうだ。そして抽選で出走できたシングザットソングを逆転候補に。3戦続けて最速の上りをマークしている。真っ直ぐ走れば大仕事を。

「これで良し この次勝てば サプライズ」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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