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【スプリングS・阪神大賞典】3連覇の達成か、4歳馬の勝利か

  • 2023年03月18日(土) 12時00分

傾向が大きく異なるふたつの重賞


 この10年で1番人気が、スプリングSが2勝、阪神大賞典が7勝と大きく差がついている。春のクラシックを目前にして未知な部分を多くかかえて出走してくる3歳馬に対し、目標を春の天皇賞と定めて長距離実績のある古馬陣が勢揃いする一番とでは、予測するのに必要とするものの有無に差がありすぎる。

 皐月賞トライアルのスプリングSは、今年は大半が出走権を得たい組で、少ないキャリアから可能性を見出さなくてはならない。遅れてきた大器なのか、素質のある一勝馬なのか、試金石の一戦に期待をこめてのぞんでみたい。この結果次第で今後を考えると言っても、期待を込めて出走しているのであって、キタサンブラック、ウインブライト、ステルヴィオのように、ここを勝ってのちのGI馬になることがめざす目標だ。

 まずは2戦2勝のベラジオオペラとホウオウビスケッツを考えてみたい。デビュー戦で中山の急坂を勝ったホウオウビスケッツは、続くフリージア賞2000米も完勝した。どちらも逃げ切りだが、2戦目はハナに立っても脚をうまくためて走れていた。6月5日の遅生まれで伸びしろは十分ある。

 ベラジオオペラは2戦とも1800米で、レベルの高い新馬戦を最速の上がりで勝ち、続くセントポーリア賞では2番手追走からあっさり抜け出し、力の違いを発揮していた。器用さがもとめられる中山の1800米だと現状では、ベラジオオペラを上位にしたい。キャリア4戦で京成杯3着からここに出走するセブンマジシャンは、最速の上がりで2勝している。逃げて勝ち上がったものが多い今年の顔ぶれだと展開が速くなるので、この脚質は有利にはたらく。一応この3頭を上位に考えてみたい。

 一方の阪神大賞典は、ディープボンドの3連覇がかかっている。これまでゴールドシップが、4、5、6歳で達成しているが、これに並ぶということより、目標はあくまでも春の天皇賞制覇だ。4歳時も5歳時も阪神大賞典を勝ってこのタイトルを狙ったが、いずれも2着と惜敗してきた。2年続けて秋は凱旋門賞に遠征したように、スタミナには自信があるが、この悲願達成にはここで全力を出し切るより、次に自信のもてるかたちをという関係者のことばは、本音だと思う。もちろん勝つに越したことはないのだが。

 そこで今年の阪神大賞典は、ディープボンド以来の4歳馬の1着に賭けてみたい。その中で注目したのがボルドグフーシュだ。同じ阪神で行われた菊花賞の2着馬。後方待機から力強く伸び、コースレコードのアスクビクターモアにハナ差まで迫っていた。有馬記念2着も3角からのロングスパートで、ここまで7戦連続最速の脚を見せてきた。今年の4歳勢はレベルが高いと見ているので、同じ4歳のジャスティンパレスを相手の一頭に。もともと晩成型で、どれだけ成長しているか。上記3頭でまとめるレースとみている。

「これならば 大願成就 夢でない」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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