▲昨年はエリカヴィータが優勝(撮影:下野雄規)
東京開催は今週が開幕週。
芝は例年通り、前開催となる1回東京が仮柵を最外に設置したDコース使用。今開催は6日目までAコース使用。
Cコースより内の部分は昨年の4回開催以来の使用となり、野芝の生育にとっても好都合な時期。
この開催は毎年、非常に良い芝と路盤の状態で行われる。
2018年以降のフローラSも当日が稀に見る強風のなかでの開催だった2020年と当日が雨のなかでの開催だった2022年は馬場コンディションが「標準」。それ以外の3回は馬場コンディション「軽い」馬場。
東京芝2000mは最初のコーナーまでの距離が近いコース形態もあり、一般的には内枠有利と思われがちなコースではある。しかし、馬場が軽い場合は外枠が結果として有利になりやすい。
馬場コンディションが「軽い」だった2018年、2019年、2021年の3回に関しては、4番人気以下で3着内に好走した5頭全てが5枠より外。そのうち3頭が8枠。また、二桁位置取り馬も2勝。
一方、馬場コンディションが「標準」だった2020年と2022年の2回では連対した4頭全てが4枠より内。3着内に好走した6頭のうち5頭が最初のコーナーを5番手以内で通過している。
当日が雨などの影響によって、若干でも走りづらくなるとコースのイメージ通りに内を通る馬や先行が恵まれているが、グリップ性が非常に良く、走りやすい馬場コンディションの場合は、末脚の要求度が高く、内を通るアドバンテージもみられない。むしろ、外枠からスムーズに運べる馬の方が速く走れるのだ。
軽い馬場ほど外が伸びるメカニズムは、フローラSに限らない。最近の東京芝では頻繁にみられる事象だ。見た目に芝の状態が良く、騎手や陣営の意識が内を通ることや先行することに傾いている時ほど顕著にトラックバイアスとして発生する。このメカニズムは拙著「馬場を極める」に詳細が書かれている。
今週末の天候は問題なさそうなので、今年は軽い馬場コンディションで行われるだろう。末脚のしっかりしたタイプ、そのなかでも外枠から狙いたい。
▲ブライトジュエリーに期待(ユーザー提供:まどかさん)
ブライトジュエリーの前走はトラックバイアス「内有利・ 」と判定したレース。当時の中京芝は内を通る馬に有利で内枠が好成績を残していた日にもかかわらず、外枠から突き抜ける圧勝だった。それも、前走は未勝利戦で初出走。このパターンは芝中距離の場合、既走馬に比べて少なくとも一馬身は不利なので、実際の着差よりも内容は高く評価できる。
キャリア1戦の馬で後方位置取りのレースしか経験していない馬。当然、道中は置かれるだろうが、先に書いたようにレースの流れにのる必要性は全くない。2戦目で前走よりはレースに慣れることでゲートからの進みも良くなるため、経験の浅さを高い潜在能力で補えるだろう。
跳びが大きい馬なので、想定される状況や自身のパフォーマンス発揮を考えても外枠が欲しい。
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