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【西村淳也×藤岡佑介】「悔し涙」で入った勝利へのスイッチ 活躍目立つ同世代との切磋琢磨/第4回

  • 2023年04月19日(水) 18時01分
“with佑”

▲対談もいよいよ最終回! 西村淳也騎手の言葉にも熱がこもります(撮影:桂伸也)


最近の若手騎手の勢いを感じている佑介騎手とその一人である西村淳也騎手。

佑介騎手は自分たちの時代と異なる状況を踏まえつつ、自分たち中堅は「踏んばりどころ」という思いになっているそう。いっぽうの西村騎手はその輪の中にいるだけに、同世代の活躍に刺激を受けつつも悔しい思いを感じるときもあると言います。

それでも切磋琢磨しながら計画通りに目標を達成し続けている西村騎手。最後に今後への思いを熱く語ってくれました。

(取材・構成=不破由妃子)

若手騎手の勢いは「めちゃくちゃ感じてます」



──坂井瑠星騎手、横山武史騎手、岩田望来騎手、そして今回のゲストである西村淳也騎手。最近はとにかく若手の勢いがすごいですよね。ジョッキーのみなさんの取材をさせていただくようになって久しいですが、こんなに若い世代の勢いを感じたのは初めてといっていいくらいです。そういう“風”というのは、やはり佑介さんも感じていますか?

佑介 めちゃくちゃ感じてます。中堅ジョッキーとして押されてます(苦笑)。踏ん張りどころだなと思ってますよ。いっぽうで、「ようやくか」という思いもありますけどね。

──ようやく、というのは?

佑介 僕たちが若い頃は、上の人が抜けていくのがもっと早かったし、中央場所で安定して重賞に乗れる位置に上がるまでがめちゃくちゃ早かった。今よりチャンスももらいやすくて、ちょっと目立てばババババッと駆け上がっていっちゃう感じでしたからね。でも、今はそうじゃない。どんなに上手くても、若手が上がってきづらいというか、なかなか出てこれへんなとずっと思っていたんです。目立っていた若手でいえば、瑠星とか望来とか、デビューした瞬間からめちゃくちゃ上手いなと思っていたけれど、それでもやっぱり勝てない時期がしばらく続いて。だから、やっと勝ち出したな、ようやくかと。

西村 同世代の活躍には、本当に刺激を受けますからね。

──今の若手の勢いは、相乗効果でもあると。

佑介 いつこういう流れがきてもおかしくないってみんな思っていたし、実際、難しい時代にこうやって勝ち星を挙げて抜けてきた子たちは本当に上手い。僕らは僕らで、それに押されているようじゃいけない、じゃあどうやって頑張って行こうかと気持ちを新たにするところもあるので、騎手界全体にとってもいい影響を与えていると思います。レースの質も上がってきているのを感じるし、本当に簡単じゃない。今年は、年明けに初めて通しで小倉に行ったんですけど、競馬が面白かったですよ。淳也にしても、「淳也が勝たせたな」と思える競馬がすごく多くて、リーディングに相応しい競馬をしていたと思う。

西村 小倉は大好きですから。

“with佑”

▲14勝を挙げて第1・2回小倉開催リーディングジョッキーに(C)netkeiba.com



──ローカルではすっかり、リーディングの常連ですものね。

西村 たぶん、ローカルのリーディングは全部獲らせていただきました。なので、次は中央場所で。今年から主戦場を中央に移すので、もっともっと頑張らないと。

佑介 そのタイミングって難しいけど、淳也の場合、すごくいいタイミングだと思う。

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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