リーディングサイヤーランキングの首位・フランケルの産駒も5頭が上場

　8月18日から20日までドーヴィルにて開催されるオーガスト・イヤリングセール。御購買を御計画の皆様は既に、カタログにて上場馬の血統を精査し、購買候補の絞り込みに入っていることと思います。この後は、せり場に到着した上場馬たちが、どのような馬体をしているか、実馬の吟味に入ることになります。

　上場馬カタログは、そこに産駒を送り込んでいる種牡馬のリストを眺めているだけで、競馬好きならばワクワクした気持ちを持つはずです。

　例えば、2018年にアメリカで無敗の3冠を達成したジャスティファイは、今年のドーヴィルに3頭の1歳馬を送り込んでいます。フランスのセールに、アメリカ3冠馬の子供がいるのかと、驚かれる方もいるかもしれませんが、血統の世界でも、もはや国境はないに等しい存在です。3頭の中でも、上場番号278番の牝馬は、母の姉妹にシルクブロッサム、マシューラという2頭の欧州重賞勝ち馬がいる良血馬です、

　史上最強馬と謳われ、種牡馬としてもリーディングサイヤーランキングの首位を走るフランケルは、5頭の1歳馬がエントリーしています。上場番号91番の牝馬は、祖母がG1ファルマスS勝ち馬タイムピースで、パッセージオブタイム、トワイスオーヴァー、ヴィアデラといったG1勝ち馬の名が並ぶファミリーの出身です。あるいは上場番号111番の牡馬は、日本と香港で3つのG1を制したアドマイヤマーズの甥にあたる馬です。
　
　種牡馬を切り口にして見た時、ルアーヴルのラストクロップが14頭上場されているのが、今年のドーヴィル・オーガスト1歳セールにおける大きな話題の1つです。

　ラクレソニエールやアヴニールセルタンといった名牝の父として知られるルアーヴル。中でも上場番号100番の牝馬は、母が重賞2勝馬のトップトスで、同じく重賞2勝馬レストークインパリスの半妹にあたる良血馬です。

　7月14日にパリロンシャンで行われたG1パリ大賞を制したフィードザフレイムの父キングマンは、今年のドーヴィル・オーガスト1歳セールに、3頭の産駒を送り込んでいます。中でも抜群の血統背景を持つのが、上場番号172番の牡馬です。母はG1仏オークス勝ち馬チャンネルで、近親にパシフィーク、プルデンザ、チキータ、フィロミーン、マジックワンドといった活躍馬の名が並ぶファミリーの出身です。

　先日日本で開催されたJRHAセレクトセールで、産駒が2億7千万円で購買されて話題となったのが、種牡馬ウートンバセットです。ヨーロッパの市場でも人気の高い同馬は、今年のドーヴィル・オーガストセールに26頭もの1歳馬を送り込んでいます。中でも最も大きな注目を集めているのが、上場番号116番の牝馬です。同馬の母は、G1英オークス馬ワズなのです。母としてのワズは、既に重賞勝ち馬コンサートホールを送り出しています。あるいは、上場番号76番の牝馬も、母が重賞勝ち馬のスノーで、祖母がG1勝ち馬のチェルシーローズ、叔父にG1勝ち馬のキューガーデンズがいるという、飛び切りの良血馬です。

　アガ・カーン・スタッドで繋養されているザラックも、今、ヨーロッパで話題となっている若手種牡馬です。上場番号224番の牝馬は、アメリカでG1サンタアニタH，G1ウッドウォードSを制しているシャーマンゴーストの半妹となります。

　若手種牡馬と言えば、今年の2歳が初年度産駒となるブルーポイントも注目の存在です。現役時代はチャンピオンスプリンターの称号を手にし、父シャマーダルの後継馬と目されているブルーポイントは、11頭の産駒が上場予定。上場番号228番の牝馬は、祖母がG1勝ち馬グレイリラで、叔母が2冠牝馬ゴールデンライラックというファミリーを背景に持っています。

　デビューから無敗の4連勝で今年のG1仏ダービーを制した、エースインパクトを送り出したクラックスマン産駒の上場は、308番の牡馬1頭のみです。同馬は、欧州最優秀2歳牡馬にして、3つのG1を制している、ネイティヴトレイルの半弟となります。

　産駒たちの姿を愛でながら、父の現役時代の姿に思いを馳せるというのも、セールの大きな楽しみの1つと言えましょう。

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