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仕上がり早のニックス配合ツルマルアイ

  • 2006年06月06日(火) 23時30分
エーシンエーエル(牡 栗東・藤原英 父A.P.Indy、母La Lupe)
 母La LupeはMagic of Life(88年コロネーションS-G1)の半妹、ブレーブテンダー(97年アーリントンC-G3)の半姉にあたる超良血。これにSeattle Slew系の名種牡馬A.P.Indyを交配して生まれたのが本馬。Seattle Slew、Secretariat、Mr.Prospector、Northern Dancerといった名血で3代以内が固められており、「A.P.Indy×Mr.Prospector」という組み合わせからは、Pulpit、Tempera、Tomisue's Delight、MineshaftといったG1ホースが誕生している。かなりの器だろう。


タイムブレイカー(牡 栗東・浅見秀一 父アグネスタキオン、母スギノキューティー)
 母スギノキューティーは現役時代、フラワーC(GIII)を制し、ニュージーランドT4歳S(GII)2着、NHKマイルC(GI)でも3着と好走した。繁殖牝馬としてはプラチナローズ(福島2歳S)、グローバルボンバー(現4勝)などを送り出している。本馬はアグネスタキオンが父。Raja Babaクロスを持つアグネスタキオン産駒は、デビューした3頭中2頭が勝ち上がり、連対率28.6%とまずまず。母スギノキューティーは芝・ダート兼用タイプだったので、本馬も双方の路線で活躍できるだろう。


ツルマルアイ(牝 栗東・石坂 父タイキシャトル、母サンデーアイ)
 「タイキシャトル×サンデーサイレンス」という組み合わせの競走馬は、JRAで過去2頭しか出走していないものの、その2頭がウイングレット(05年中山牝馬S-GIII)とアサクサゼットキ(現3歳1000万下)なのだから凄い。この組み合わせはニックスといってもいいだろう。本馬はアイポッパー(05年コーフィールドC-豪G1・2着)、インマイアイズ(現5勝)の半妹にあたり、Nijinskyクロスがあるのはウイングレットと同じ。確実に走ってくるだろう。


フローラルポケット(牝 美浦・石栗 父ジャングルポケット、母マーチンミユキ)
 母マーチンミユキは3勝馬で、その半姉にルイジアナピット(89年阪神牝馬特別-GIII、89年牝馬東タイ杯-GIII)、半妹にフローレスリーフ(97年エリザベス女王杯-G1・4着)がいる。父ジャングルポケットはトニービン系期待の新種牡馬。基本的にNijinsky系との相性は悪くないと思われるので、母の父マルゼンスキーのこの配合は好感が持てる。母系の奥にはダイアトム、チャイナロックといった底力のある血が並び、オークス向きのスケールの大きな配合に仕上がっている。


ブリオーサ(牝 栗東・角居 父スペシャルウィーク、母タッチフォーゴールド)
 全姉のタッチザピークは新馬−紅梅S(OP)を連勝し、桜花賞まで駒を進めた(10着)。2代母DaijinはテストS(米G1)の3着馬で、その全弟にベルモントS(米G1)を勝ったTouch Gold、半兄にカナダ三冠馬With Approvalがいる良血。母系にDeputy Ministerが入るスペシャルウィーク産駒は、これまでのところ4頭がデビューし、すべて2勝以上挙げている。確実性が高く仕上がりも早いPOG向きの配合だ。マイル前後に向いており、芝・ダートは問わない。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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