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【#33】「私は、夫に対して常に鬼嫁であり続ける」“適材適所”でのサポート計画!

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  • 2023年12月18日(月) 18時01分
障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。

生死を彷徨った落馬事故から約3カ月。雄造騎手はついに自分の足で滋賀へ帰れることになったものの、「リハビリのモチベーションを保つにはどうしたらいいか」と頭を悩ませます。

回復のゴール設定について、義両親や義兄弟との間に大きなギャップがあると感じていた由紀子さんは、そこである計画を打ち立てます──。

もはやこれは私に課せられた使命──


 小倉競馬場から小倉リハビリテーション病院に移動し、主治医との最後の面談です。日中は先生がお忙しかったので、面談は夕方からスタートし、リハビリがひと段落した療法士の先生方も立ち会ってくださいました。

 話をまとめると、

・65日間の入院で身体的には目覚ましい回復を遂げた。

・内科的な問題もみられない。

・左肩の可動域が入院時は80度だったところ、140度まで回復。6段階で5まではきている。

・左の握力が落ちている。強化が必要。

・左手指に麻痺が残っている。

・筋力低下がみられる。

・体幹機能の低下があるが、回復がみられる。

・身体の問題は今後リハビリを真面目に続ければ改善する見込み。淡海医療センターを退院する頃には、運動項目FIMは満点で退院できる可能性が高い。

・視力の低下も見られるが、負傷前の視力は両眼ともに1.5。本人は見えづらいと感じているだろうが、裸眼で生活できるレベルではないか。複視の訴えもあるが、改善も期待できる。現状では、歩道も問題なく歩いている。詳しいことは淡海医療センターの主治医の先生に相談してほしい。

・体力は少しずつ戻ってきている。昨日、神社までウォーキングをしました。整備されていない少しデコボコした80段の階段を手すりを持たずに上り下りしていた。40分間、問題なく歩けていた。

・ジャンプをしたり、ジョギングをしたり、少しずつリハビリを進めている。

・高次脳機能のほうは、記憶などさまざまな部分で点数が上がっている。身体の回復と比べると、脳外傷の脳の回復は少し遅れることも多いので、これから時間をかけて回復すると思う。

・びまん性軸索性損傷は脳梗塞と違い、衝撃によりネットワークが分断された神経細胞に変わり、脳の別の箇所が機能を補うようになることもある。そのため、今後どこまで回復するかは今の段階ではまだなんとも言えない。

・脱抑制の症状は改善した。

・長く続く入院生活でご本人のモチベーションを保つことが難しくなる場合もあるかもしれない。その場合は心療内科の医師にサポートに入ってもらうなどできることをして、とにかくリハビリをしっかりと続けること。

 身体的には、日常生活や一般的な仕事に就くのであれば、問題ないくらい回復をしているようでした。ただ、夫が望むのは騎手への復帰。頭のほうもコツコツとリハビリに取り組む必要があるとのことで、復帰に向けての道のりは、まだまだゴールすら見えません。ですが、回復に向けてある程度目途が立っているようで、この日は一旦ホッとしたのでした。

 面談を終え、ホテルへ移動。夕食をとりながら、私はずっと今後のことを考えていました。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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