軽い芝中距離の適性高いスマートストライク系
共同通信杯に出走予定の昨年のJRA最優秀2歳牡馬ジャンタルマンタルの父はパレスマリス。年明けにはシンザン記念を勝ったノーブルロジャーも出しました。日本でデビューした産駒は7頭。うち4頭が勝ち上がり。6頭は3着以内に走っている驚異の勝ち上がり率、好走率。2024年からはダーレー・ジャパンで日本で種牡馬供用されます。
今後は、パレスマリス産駒の個性をいち早くつかむことは馬券予想でも間違いなく有利。そのためには、産駒が出揃ってからでは遅いです。スマートストライク系の特徴とアメリカ競馬の特徴をよく知っておけば、パレスマリス産駒の特徴は産駒が走る前に予想できるでしょう。
パレスマリスは米国産馬。父がカーリン、その父がスマートストライクの北米最高峰レースのケンタッキーダービーに抜群の相性を示します。
過去5年のケンタッキーダービーでスマートストライクの系統は3頭の勝ち馬を出していますが、勝ち馬の現地オッズは2019年のカントリーハウスが18番人気。2022年のリッチストライクが20番人気。2023年のメイジが8番人気。いずれも人気薄。
このことは、2019年以前から解説していたことで、カントリーハウスとメイジは、ウマい馬券で公開している予想でも本命に推奨。馬券も大きく的中することができました。
スマートストライクの血がケンタッキーダービーで人気薄で走るのは、ケンタッキーダービーの前哨戦は、ケンタッキーダービーとは要求される能力の方向性が違うレースが多いため。
ケンタッキーダービーの前哨戦ではスマートストライクの個性を継いだ馬は能力を出し切れていないケースが多く、能力の方向性がマッチしやすいケンタッキーダービーでは秘めた能力を出し切るために、毎年のようにスマートストライクの個性を継いだ馬は人気薄で激走するのです。世界中の競馬は「向かない条件から、向く条件での激走」を見抜くのに血統が大きなヒントになるのです。
米国競馬の主流能力は、日本の芝中距離と比べた場合、ダッシュ力とスピードの持続力が要求されやすいのが特徴。日本の能力と照らし合わせるとダート短距離に近い適性が主流能力です。
一方、ケンタッキーダービーは、アメリカの主流能力よりもややズレた適性が問われます。同じく日本の能力と照らし合わせると、芝中距離で要求される直線でのトップスピードを発揮できる能力が要求されます。
つまり、スマートストライクの系統は、日本ならば砂のダート競馬よりも芝マイル前後の軽い馬場で能力を発揮する馬が多いのです。
ジャンタルマンタル以前に日本に輸入されたスマートストライクの系統も、日本では、ダート(砂競馬)重賞よりも芝重賞で結果を出しています。
スマートストライク産駒のブレイクランアウト、レッドレイヴンはJRAの重賞を連対しています。この2頭は東京芝1800mの重賞で上がり33秒台を出しました。
また母父スマートストライクの産駒にはスターズオンアース、ストロングリターンがいます。2頭はいずれも東京芝1600m以上のGIを勝った馬です。
日本の主流血統であるサンデーサイレンスも、ケンタッキーダービー勝ち馬。産駒が日本の芝で優れた直線スピードを発揮したことは説明するまでもないでしょう。
スマートストライク系に限らず、アメリカからの輸入馬は、日本ならばダートと称される砂競馬よりも芝競馬に向く馬も多いです。日本の砂とアメリカのダートは、別種目といっても過言ではありません。日本の砂競馬をダートと呼ぶのは、誤解しか招かないので、いい加減止めてほしいです(笑)
スマートストライクの影響を継いだパレスマリス産駒も、日本では、軽い馬場の芝マイル-中距離で高いパフォーマンスを発揮する産駒が多くなるはず。日本の砂競馬ならば、湿った砂1400-1700mを走る産駒が多くなりそうです。
共同通信杯は軽い馬場で行われ、直線で速い上がりを出せる馬場になりそう。スマートストライクの影響を継いだジャンタルマンタルは力を発揮できる可能性が高いでしょう。
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