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即戦力+大物感ソルヴィエント

  • 2006年06月20日(火) 18時00分
サクラサンビーム(牡 栗東・佐々木晶三 父エイシンワシントン、母サクラブーケ)
 「母系にサンデーサイレンスを持たないエイシンワシントン産駒」は連対率14.9%で、グレードレースの入着馬はゼロ。一方、「母系にサンデーサイレンスを持つエイシンワシントン産駒」は連対率27.6%で、JRAでたった7頭しか出走していないにもかかわらず、グレードレースで3頭が入着している。明らかなニックスといえるだろう。本馬はまさにこのパターン。多くの活躍馬を輩出している牝系は活力十分で、マイル以下の芝で本領を発揮する。


シンボリブラームス(牡 美浦・久保田貴士 父ステイゴールド、母スイートケンメア)
 昨年の新種牡馬ステイゴールドは、自身が晩成型だったため、産駒も成長のゆっくりしたものが多いだろうという予測が一般的だった。確かにアグネスタキオンやクロフネに比べると地味さは否めなかったが、徐々に勝ち馬を増やしていき、気がつけばソリッドプラチナムが古馬相手に重賞を勝ち、エムエスワールドがOP特別2勝を含めて4勝を挙げた。成長力は十分と思われるので今後が大いに楽しみ。本馬は「ステイゴールド×Kenmare」という組み合わせで、半兄にCBC賞(GIII)5着の快速馬シンボリエスケープがいる。血統背景、配合ともに申し分なく、出世は約束されている。


ソルヴィエント(牡 栗東・友道康夫 父フレンチデピュティ、母サンウィルシャイン)
 フレンチデピュティが日本輸入後に送り出した重賞勝ち馬3頭のうち、2頭は「母の父サンデーサイレンス」だった(アンブロワーズライラプス)。フレンチデピュティはHail to Reasonと素晴らしい相性を示しているので、その流れでサンデーとも相性がいい。本馬はこのパターン。母サンウィルシャインはユートピア(06年ゴドルフィンマイル-G2など重賞6勝)、アロハドリーム(97年中京記念-GIII、97年函館記念-GIII)、メイプルシロップ(97年ローズS-GII・2着)の兄弟にあたる良血。血統的なポテンシャルはきわめて高く、仕上がりも早いだろう。


パスタイム(牝 美浦・岩戸孝樹 父フジキセキ、母ワンモアギャル)
 フジキセキ産駒は母系にPrincely Giftを持つものが成功しており、過去にダイタクリーヴァ(重賞5勝)、ドリームパスポート(06年きさらぎ賞-GIII、06年皐月賞-GI・2着)、オースミコスモ(重賞3勝)、タマモホットプレイ(重賞2勝)、フジサイレンス(06年東京新聞杯-GIII)など、多くの重賞勝ち馬が出ている。本馬は母の父がトウショウボーイ(Princely Gift直系)なのでこのパターンにあてはまる。母ワンモアギャルはJRA3勝馬で、その半兄アラナスモンタは大井記念(ダ2500m)を勝ち、帝王賞、東京大賞典、川崎記念で2着となった強豪。芝・ダート兼用のマイラーだろう。


ファストパス(牝 栗東・沖芳夫 父タイキシャトル、母エリモシック)
 「タイキシャトル×ダンシングブレーヴ」という組み合わせで、母エリモシックはエリザベス女王杯(GI)の勝ち馬。エリモシックはこれまでに2頭の産駒を送り出したものの、それらの競走成績は芳しくない。ダンシングブレーヴを父に持つ繁殖牝馬は、その母系にNasrullahの影響を強く受けているものが成功する傾向にある。メイショウサムソン(ダービー、皐月賞)の母マイヴィヴィアン、スイープトウショウ(宝塚記念、エリザベス女王杯、秋華賞)の母タバサトウショウもそうだった。本馬の母エリモシックもこのパターン(母の父テスコボーイ)。一発大物を出す可能性は十分ある。タイキシャトルとの組み合わせではスピードが強化され、POG向きの確実性が増した。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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