関東馬が優勢か？

　桜花賞は阪神芝外回り1600mの広くて直線の長いコースで行われ、古くはブエナビスタやハープスターなど豪快な追い込みが決まることも珍しくないレースだった。しかし近年は京都競馬場改修の影響で内が強い馬場状態が続き、サトノレイナス・スターズオンアース・リバティアイランドといった名牝クラスの馬が差してきている分目立っていないものの、それらを隠してレースを見るとほぼ内前を立ち回った馬基礎スピードの高い馬が残る結果になっている。

　ただ今年はBコース替わり初週だったここ数年と違い2週目での開催となり、更に阪神競馬場の改修前最後の開催で馬場を昨年までと比べ強固に造る必要もなく、先週の競馬を見ても比較的差しが決まっていた印象。近年ほど位置取り次第の競馬にはならないとみている。

　芝のマイル以上の主流条件においてノーザンファームの強さはやはり抜けている。特に昨年は関東馬のみでGIを10勝と東高西低の潮流になっていて、GIだとほぼすべての成績でダブルスコアに近い差がついていた。


　今回の登録メンバーを見ていても、上位人気が想定される馬の中で阪神JFの1・2着馬に加え、チェルヴィニア・ボンドガール(抽選対象だが)と多くがノーザンファーム生産の関東馬に占められている。

　そこで関東馬に絞って成績を見てみると、過去5年の単勝オッズ一桁台の人気馬に絞った成績でも単勝回収率が100％超えと優秀。しかし前走で勝利している馬の回収率は控除率を下回っており、2着以下に敗れた馬が巻き返して成績を引き上げている。


　これは今回人気想定の4頭が全て今年に入ってから初めてのレースであることもそうだが、レースの数を使わない方針の影響でひとつのレースの着順がより大きなファクターになっているのではないかと推測できる。

　今回はアスコリピチェーノのみが前走GI・1着で、やはり想定段階では1番人気に推されそう。3歳の成長期真っ只中に行われるレースでもあり、本当にオッズほど能力に差があるのかは注意する必要があるだろう。