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大物感あふれるフサイチホウオー

  • 2006年07月26日(水) 12時10分
ショウナンマックス(牡 栗東・池江泰郎 父フレンチデピュティ、母チャーミングファピアノ)
 半姉アルーリングアクトは小倉3歳S(GIII)の勝ち馬で、重賞2勝のアルーリングボイスとは4分の3同血の関係にある。父がエンドスウィープからフレンチデピュティに替わったが、仕上がりの早さは変わらないだろう。2歳戦から能力を全開するタイプだ。Mr.ProspectorとHail to Reasonを併せ持つフレンチデピュティ産駒の連対率は32.8%と優秀。高確率で走ってくるだろう。

スターエンジェル(牝 栗東・加用正 父アフリート、母コマーズ)
 アフリートはニジンスキーを含んだ繁殖牝馬との間に好成績を残している。そしてもうひとつ、Danzigを含んだ繁殖牝馬との相性も良好。本馬はゴールデンジャック(重賞2勝とオークス2着)、スターリングローズ(GIを含めて重賞6勝)の全妹にあたる良血。うまくいけば重賞クラスに出世できるだろう。

ダノンフローラ(牝 栗東・池江泰寿 父アグネスタキオン、母ファンジカ)
 アグネスタキオン産駒は母系に図太いスタミナ血統を入れたものが成功する確率が高い。Ribot系のAllegedを含んだタキオン産駒は4頭がデビューし、すべて勝ち上がっている。半兄にハイアーゲーム(04年青葉賞-GII)、ファイトクラブ(06年中京記念-GIII・5着)がいる良血。高いポテンシャルを感じる。

トーセンマーチ(牡 美浦・萩原清 父フレンチデピュティ、母サイレントプレアー)
 「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」という組み合わせは、ライラプス、アンブロワーズと2頭の重賞勝ち馬が出ている。半兄にスズノマーチ(05年エプソムC-GIII)、全兄にサイレントプライド(06年ユニコーンS-GIII・4着)がいる良血で、フレンチデピュティ産駒としては最上級クラスの好配合馬だ。

ハイドパーク(牡 美浦・藤沢和雄 父ブライアンズタイム、母タニノクリスタル)
 シンボリクリスエスを破って日本ダービー(GI)を勝ったタニノギムレットの全弟。ひとつ上の全姉クリスタルタイムは現在のところ4戦未勝利だが、本馬はギムレットと同じ牡馬なので期待できる。Graustark 3×4に象徴されるように底力の塊のような配合なので、素軽ささえ備わっていれば重賞級の活躍は堅い。藤沢和雄調教師の手腕に注目。

バトルバニヤン(牡 栗東・池江泰郎 父ジャングルポケット、母クラフティワイフ)
 ビッグショウリ(95年マイラーズC-GII)、ビッグテースト(03年中山グランドジャンプ-J・GI)、スパイキュール(ダート7戦全勝)、キョウエイフォルテ(99年シリウスS-GIII・3着)、クラフティゴールド(98年小倉3歳S-GIII・3着)の半弟にあたる良血。母の能力がきわめて高いので、本馬も高確率で走ってくるだろう。母の父がMr.Prospector系という配合は、すでに勝ち上がったジャングルテクノと同じ。期待できそうだ。

フサイチホウオー(牡 栗東・松田国英 父ジャングルポケット、母アドマイヤサンデー)
 セレクトセールで1億円で落札された高馬。母アドマイヤサンデーは阪神牝馬特別(GII)の2着馬で、すでにチューリップ賞(GIII)2着のアドマイヤメガミ(父エルコンドルパサー)を産んでいる。本馬は新種牡馬ジャングルポケットが父。スピードとスタミナのバランスが取れた堂々たるクラシック配合で、スケールの大きさを感じる。Hornbeam≒Sunset 4×5という近似血脈のクロスもおもしろい。7月21日に函館競馬場に入厩。デビューを目指して乗り込まれている。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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