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即戦力・エリモディアナ

  • 2006年08月02日(水) 12時30分
グランプリサクセス(牡 栗東・藤岡健一 父フォーティナイナー、母エイダイクイン)
 母エイダイクインはメジロマックイーンの代表産駒で、現役時代はクイーンC(GIII)を快勝するなど重賞戦線の常連として活躍した。これまでに送り出した2頭の産駒、エイダイジュピター(父スペシャルウィーク)とワキノグラス(父グラスワンダー)はスピード不足を露呈して成績不振だが、本馬はMr.Prospector系のフォーティナイナーが父なので期待できる。ダート向きのマイラー。

コスモウィザード(牡 美浦・水野貴広 父グラスワンダー、母マジックナイト)
 母マジックナイトは現役時代、ヴェルメイユ賞(仏G1)を含めてグループレースを5勝、凱旋門賞(仏G1)とジャパンC(GI)では2着に食い込む健闘を見せた。繁殖牝馬としても優秀で、これまでに毎日王冠(GII)など重賞を4勝したマグナーテン(父Danzig)、通算13戦5勝のミスティーク(父サンデーサイレンス)などを産んでいる。本馬の父はグラスワンダー。その血統にはDanzig(マグナーテンの父)が含まれており、配合的にもおもしろい。芝向きの中距離馬だろう。

ロングビクトリア(牝 栗東・小野幸治 父タニノギムレット、母エンゼルカロ)
 母エンゼルカロはホッカイドウ競馬所属ながら函館3歳S(GIII)を制し、札幌3歳S(GIII)とファンタジーS(GIII)でも3着と健闘した。産駒のコスモスペシャリー(父スペシャルウィーク)は昨年秋の新馬戦を快勝しており、この一族の仕上がりの早さは際立っている。本馬の父タニノギムレットは、晩成型のステイヤー血統なので仕上がりの遅さが懸念されているが、この母なら心配いらないだろう。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

ヤマニングリフォン(牡 栗東・浅見秀一 父マンハッタンカフェ、母ティファニーラス)
 母ティファニーラスはケンタッキーオークス(米G1)、ファンタジーS(米G1)など10戦8勝、米3歳牝馬チャンピオンに選出された名牝。繁殖牝馬としてはヤマニンアリーナ(クローバー賞)、ヤマニンイデアル(ききょうS)を出した程度で、競走成績からすればやや物足りないところだが、本馬の父マンハッタンカフェは、母ティファニーラスにとってヤマニンアリーナ以来のサンデー系種牡馬なので楽しみはある。スタミナと底力は十分なので、早めに仕上がればおもしろい。

エイシンイッキ(牡 栗東・森秀行 父Tale of the Cat、母Delirium)
 昨年のキーンランドセプテンバーセールにおいて45万ドルで落札された。父Tale of the CatはStorm Cat系の新鋭で、03年には北米2歳種牡馬チャンピオンに輝いた。馬力とスピードに優れ、仕上がりが早く高齢まで能力が落ちない。母は未勝利馬だが、その半妹に米G3勝ち馬がいる。母系がスタミナタイプなので距離は1800mまで大丈夫。芝よりもダートのほうがいい。

エリモディアナ(牝 栗東・高橋隆 父フレンチデピュティ、母エリモマーメイド)
 母エリモマーメイドはエリモマキシム(05年新潟大賞典-GIII・4着)の半姉。本馬の父フレンチデピュティは、母系にHail to Reasonを持つものが成功しており、なかでもRobertoは、クロフネ(最優秀ダートホース)やマッチレスバロー(06年共同通信杯-GIII・3着)が出ており相性がいい。母系にRibotが入るパターンも好成績を残している。芝・ダート兼用の即戦力タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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