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シェイク軍団 in USA好調続く

  • 2006年08月01日(火) 23時50分
 キングジョージにおけるエレクトロキューショニストは大健闘したものの、ハリケーンランに半馬身及ばぬ2着に惜敗。今季のヨーロッパにおけるゴドルフィンは、開幕から3カ月以上が経過してなお、G1未勝利という不名誉な記録を継続することになった。日本時間で2日深夜に行われるマイルG1サセックスSに、ドバイミレニアム産駒のエコーオヴライトを送り出してG1連敗ストップを目指すが、ここも目下G1連勝中のアラーファという大物3歳馬がいるだけに、楽観は出来ない状況だ。

 組織創設以来最悪と言ってもよい泥沼にもがくシェイク・モハメド率いるゴドルフィン勢だが、一方で、シェイク・モハメドがアメリカで所有する馬たちは、かつてないほど良好なパフォーマンスを展開しているのだから、皮肉なものだ。

 シェイク・モハメドがダーレイの名で生産所有し、春の3歳2冠第2関門プリークネスSを制したバーナーディーニが(父エーピーインディー)が、7月29日にサラトガで行われたG2ジムダンディーSに登場。プリークネスS以来2カ月半振りの競馬だったが、物の違いを見せつけて9馬身差の快勝を見せ、今年3月にガルフストリームパークでマークしたメイドン勝ち以来の連勝を“4”に伸ばした。次走は8月26日に同じサラトガで行われる「ミッドサマー・ダービー」G1トラヴァーズSで、この結果次第ではケンタッキーダービー馬バーバロを凌駕して、3歳牡馬チャンピオン争いのフロントランナーとなる可能性も出てきた。

 アメリカにおけるゴドルフィンの所有馬と言えば、忘れてはならないのが、3月のドバイワールドC開催でG2・UAEダービーをぶっち切りで制したディスクリートキャットである。あのレースでディスクリートキャットから7馬身遅れた4着に敗れたインヴァゾールが、その後アメリカに渡って古馬G1を2連勝。UAEダービーにおけるディスクリートキャットは、南半球生まれのインヴァゾールより4kg斤量が軽かったため、単純な比較は出来ないが、それでも大変な能力の持ち主であることは間違いなく、その動向に大きな注目が集まっているのである。

 早々に春の3冠はスキップすることを表明していたディスクリートキャット。当面の目標をサラトガのジムダンディーSからトラヴァーズSにおいていのだが、7月に入って咳を伴う風邪をひいて断念。たくさんのファンが待ち焦がれるアメリカデビューはいったいいつになるのかと、気を揉ませていたのだが、先週末になってようやく今後のアウトラインが陣営から発表になった。

 ゴドルフィンのレーシングマネージャー、サイモン・クリスフォード氏によると、現在のディスクリートキャットはサラトガで順調に調整を積まれているとのこと。8月末には出走態勢が整いそうだが、休養明けでいきなりトラヴァーズはきついので、まずは8月末か9月初旬にアロウワンスを一叩き。その後、10月1日にベルモントで行われる3歳限定の1マイルのG2ジェロームHを目指すという青写真が明らかになった。

 アメリカの大レースを勝つことを大きな目標としているゴドルフィン。その手駒は揃いつつあると言えよう。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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