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“予想家・小牧太”の本命は4着も…「泣いてほしかったわぁ(笑)」 北村友一騎手とクロワデュノールの日本ダービー制覇を振り返る

  • 2025年06月03日(火) 18時01分
太論

▲ダービー9回騎乗の小牧太騎手が今年のダービーを振り返る(撮影:稲葉訓也)


本命を打ったサトノシャイニングは4着も、「やっぱりクロワデュノールは強かったなぁ」と納得した様子の小牧騎手。聞けば、ダービー当日の夜は、クロワデュノールを管理する斉藤崇史厩舎の助手さんとご飯を食べていたそうで…。

そのほか、先週のレースを回顧するなかで登場したのが、園田の新人、米玉利燕三騎手。小牧騎手が「あの子は上手やで」というヨネタマリエンゾウ騎手、みなさま、どうぞお見知りおきを!

(取材・構成=不破由妃子)

小谷哲平、米玉利燕三──今年の園田の新人はふたりとも上手やで!


──春競馬のクライマックス、ダービーが終わりましたね。netkeibaTVでも挙げていらっしゃいましたが、大スポのコラムでも本命を打ったのは、武豊騎手騎乗のサトノシャイニング。

小牧 まさかサトノが行くとは思わんかったわ。1、2コーナーの中間で外からホウオウアートマンがきたけど、あのままサトノがスンナリ逃げていたら、逃げ切りまであったと思うんやけどなぁ。やっぱり力んだからね、あそこで。

太論

▲「まさかサトノがいくとは…」1コーナーの攻防(撮影:下野雄規)


──本命のサトノは4着でしたが、小牧さんが大スポで印を打った6頭が、きっちり1〜6着までを占めて。8番人気のエリキングにも、しっかり▲を打ってましたからね。

小牧 力がある馬やからね。あの馬は菊花賞で改めてや。でもまぁ、クロワデュノールはやっぱり強かった。返し馬も掛からないし、そもそもおとなしくて、すごく乗りやすいらしいやん。(クロワデュノールを管理している)斉藤崇史厩舎で調教助手をしている中塚先生の息子さんが言ってた。

太論

▲「クロワデュノールはやっぱり強かった」(撮影:下野雄規)


──中塚先生って、今、小牧さんが所属している中塚厩舎のボス?

小牧 そうそう。その息子の健一くんが斉藤厩舎におるねん。

──そうでしたか。

小牧 日曜日はね、曾和先生や中塚先生らと園田でご飯を食べていたんやけど、健一くんもその日は京都やったから、合流したんですわ。おとなしい馬で、皐月賞を叩いたらゴロっと変わったって言ってた。北村友一くんがダービージョッキーになったのはよかったね。ケガで大変な思いをしたやろうから。泣くんかなと思って見ていたら、最後まで泣かんかったけど。

太論

▲終始晴れやかな笑顔だった北村友一騎手(撮影:下野雄規)


──終始、晴れやかな笑顔でしたね。

小牧 ダービーやもん、泣いてほしかったわ(笑)。彼は真面目な子でねぇ、食事の面から何から何までストイックで、とにかく真剣に向き合っている。だから、本当によかったなと思ってね。それにしても、やっぱりダービーっていいねぇ。考えてみれば、僕も乗ってたんやなぁ。

──そうですよ。それも9回も。

小牧 なんや、遠い昔のように感じるなぁ。

──さて、先週のレースについて。3勝を挙げられましたが、なかでもメイショウマツリは圧勝でしたね。

小牧 メイショウマツリ、上手いこと乗ったでしょう。

──直線は迷わず内を選んで、4馬身突き抜けた。鮮やかでした。

小牧 前回ね、ああいう競馬をしないと勝てんなと思ってね。今回は思った通りに乗れたし、しっかり勝つことができてうれしかったわ。

──最内を抜けてくる競馬は、見ていてもスカッとします。

小牧 ナイターの日のメインレースは、逆に内からスッとこられてしまったけど…。新人の米玉利燕三にやられたわ(笑)。彼、いい名前でしょ?

──苗字もさることながら、エンゾウさんというお名前が渋いですよね。しかも、けっこう馬券に絡んでくるから、余計に印象に残る。

小牧 そうやねん。今年デビューした新人やけど、上手やで、あの子。もう一人の新人、小谷哲平くんも上手やから、注目しておいたほうがいいと思うよ。燕三とは、調整ルームでたまに一緒にご飯を食べてるわ。僕ね、燕三のお父さんと仲が良くてね。今は園田で厩務員をしているけど、昔、僕がよう遊んでいた20代、30代の頃は、梅田で居酒屋をやってたんですわ。

──燕三騎手のお父さんが? で、今は厩務員さん? 居酒屋の店主から厩務員に転職されたということですか?

小牧 そうです。その居酒屋がジョッキーたちの溜まり場でね。ずいぶんお世話になったんやわ。もともとね、燕三のお祖父ちゃんは米玉利辰夫さんといって、園田で調教師をやっていて。米玉利厩舎といったら、名門だったんですよ。辰夫さんの息子と僕は仲が良くて、その息子が燕三。燕三の兄貴はボートの選手や。

──なるほど。公営競技一家なんですね。注目しておきます!

小牧 燕三も小谷哲平も本当に上手な子やから、これまで地方競馬に興味がなかったという人にも、ぜひ覚えてほしいね。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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