
▲“大井の帝王”が東京ダービーを語ってくれました(撮影:中川明美)
今春、51年に渡る現役生活に自らピリオドを打った的場文男元騎手。当時、68歳と6か月。“大井の帝王”として当たり前にあったその姿は、もう競馬場にはありません。
6月11日に行われる東京ダービーを前に、久しぶりにメディアに登場してくださった的場文男さん。引退後の生活や、今だから話せる“東京ダービー”への本音を存分に語ってくださいました。また、明日公開予定の後編では、今年の東京ダービーの見どころや予想をお届けします。
(取材・文:中川明美)
「骨折して病院を抜け出してでも…」レジェンドの東京ダービー
今年3月31日をもって51年間の騎手生活に別れを告げた的場文男さん。多くのファンと多くの仲間たちに惜しまれながら68歳6ヶ月でステッキを置いた。地方競馬7424勝(JRA4勝)の最多勝記録や最年長騎乗記録などの金字塔を打ち立て、すべてが破格な騎手時代だった。
「ただ、東京ダービーを勝つことができなかったのは残念だよね。宿題であり目標だったけど、39回騎乗して2着が10回だもの。宿題は果たせなかった。でも2着が10回もあるんだからまずまずだよね」と自分に語りかけるように的場さんは東京ダービーへの想いを話し始めた。
“大井競馬の七不思議”とも言われた的場文男騎手が勝てない東京ダービー。そして、的場さんのいない東京ダービーは、昨年から体系整備され、ダートグレード競走のダート三冠として6月11日にやってくる。
的場さんの引退から3ヶ月が過ぎた。