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スピードと底力を兼備、スマートジュピター

  • 2006年08月09日(水) 13時00分
スマートジュピター(牡 美浦・畠山吉宏 父サクラバクシンオー、母スイートアップ)
 父サクラバクシンオーには、(1)母系にNijinskyを持つ、(2)母系にチャイナロックを持つ、という2つの代表的なニックスがある。当然、(1)と(2)を併せ持つ馬は大成功しており、過去JRAで出走したわずか10頭のなかから、ショウナンカンプ(02年高松宮記念-GIなど重賞3勝)、シーイズトウショウ(03年CBC賞-GIIなど重賞4勝)、ラッシュライフ(05年ファンタジーS-GIII・2着)といった活躍馬が出ている。本馬は母系にNijinskyとRockefella(チャイナロックの父)を持っているので、上記の配合パターンに酷似している。単なるスピード馬ではなく底力も十分。

タンゴノセック(牡 栗東・坂口正則 父アフリート、母タガノブルードレス)
 母タガノブルードレスはタガノフォーティ(02年エルムS-GIII・3着)の半姉で、現役時代は重賞に出走を果たすなどまずまずの競走馬だった。本馬の半兄タガノマーシャル(父コマンダーインチーフ)は現在5戦2勝、野路菊S(OP)で2着となっている。父がアフリートに替わった本馬は、配合的には兄よりも確実に上。Tom Foolクロスを持つアフリート産駒からは、ゴールデンジャック(94年報知杯4歳牝馬特別-GII、94年サンスポ賞4歳牝馬特別-GII)、スターリングローズ(02年JBCスプリント-GI)の姉弟をはじめ多数の活躍馬が出ている。芝・ダート兼用で仕上がりは早い。

ホウショウループ(牝 栗東・友道康夫 父Mr.Greeley、母Gaily Funky)
 母Gaily Funkyは、99年の新潟3歳S(GIII)を勝ち阪神3歳牝馬S(GI)でも2着となったゲイリーファンキーのこと。引退後、アメリカに渡ってMr.Greeleyと交配され、本馬が誕生した。父は北米でG3を3勝し、ブリーダーズCスプリント(G1)でも2着となった快速馬。産駒は仕上がりの早いダート馬が多い。2歳戦から能力を全開するタイプで、馬力型のスピードを武器とするだろう。

ミスターアタゴ(牡 栗東・中尾正 父アドマイヤベガ、母ノースオブダンジグ)
 母は仔出しのいい繁殖牝馬で、18年間の繁殖牝馬生活で14頭の産駒を送り出している。本馬は13番目の仔。上にはマチカネアカツキ(02年ダービー-GI・3着)、ノースサンデー(96年桜花賞-GI・3着)、ノースショアー(94年新潟3歳S-GIII・2着)などの活躍馬がいる。この一族は仕上がりの早さがセールスポイント。本馬は軽いスピードタイプで、POG向きの確実性を持っている。

トゥインクルタイム(牝 美浦・奥平雅士 父フジキセキ、母トゥインクルレイン)
 母系にMr.Prospectorを持つフジキセキ産駒からはカネヒキリ(05年JRA賞最優秀ダートホース)、テンシノキセキ(03年セントウルS-GIII)、コイウタ(06年クイーンC-GIII)、マルカキセキ(05年スプリンターズS-GI・4着)をはじめ多数の活躍馬が出ている。本馬はこのパターン。母の半兄にシベリアンメドウ(01年京王杯2歳S-GII)がいるように仕上がりは早い。パワー型の血が母系に流れているのでダートもOK。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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