
▲“大井の帝王”が帝王賞を語ってくれました(撮影:岩上奈津妃)
今春、51年に渡る現役生活に自らピリオドを打った的場文男元騎手。68歳6か月でステッキを置くまで7424勝(その他JRA4勝)の金字塔を打ち立てました。年間リーディングを獲ること21回という騎乗成績はまさしく“大井の帝王”と言えるでしょう。
7月2日の帝王賞を前に、今だから話せる“帝王賞”への本音を存分に語ってくださいました。また、明日公開予定の後編では、今年の帝王賞の見どころや予想をお届けします。
(取材・文:中川明美)
プライドと誇りを懸けた名勝負…コンサートボーイ
今年3月に引退した際、地方競馬全国協会が実施した『的場文男騎手のベストレースファン投票』。
その第1位はボンネビルレコードで制した2007年帝王賞、第2位はコンサートボーイで制した1997年帝王賞、第3位がハシルショウグンで制した1993年帝王賞と上位を帝王賞が独占。以下は、第4位・地方競馬通算最多勝記録となった7152勝目(2018年8月12日大井5Rシルヴェーヌ)、第5位・カウンテスアップで制した1986年東京大賞典と続いた。
帝王賞は第9回から中央競馬招待競走となり、第18回の1995年よりダートグレード競走として数々のダートチャンピオンを送り出してきた。
的場さんは帝王賞に30回騎乗。
3勝しただけでなく2着4回、3着5回と好走も多く忘れられないレースばかりだ。
「会心のレースを聞かれればコンサートボーイの帝王賞だと答えるよ。いつも一番ケツからいく追い込み馬がポーンと好スタート。これはいいぞと思ってたらバトルラインがちょうど良く前に来てくれて、そのまま真後ろでジィーっと我慢させ4コーナー過ぎても「“まだいける、まだいける”って我慢した。残り200mでは外に出して前にいるバトルラインさえ交わせば勝てると確信したよ。
でも、残り100mで