
▲ニュースが多かった地方競馬について小牧太騎手が思いを語る(c)netkeiba
先週は、マジークとララテロワールで2勝をマークした小牧騎手ですが、圧倒的1番人気に支持されたウインディーパレスは、激しい追い比べの末、アタマ差の2着に惜敗。ただでさえ夏場に弱い馬だけに、「よう頑張ったけど、59キロが堪えたみたい」とパートナーを労いました。
さて、今週は同じ小牧毅厩舎から、期待の新馬・ゴーゴーツヨシがデビュー。管理調教師である毅さんを応援する意味でつけられた馬名とのことですが、今さらながら、まさかの事実に気づいて…。
(取材・構成=不破由妃子)
吉村騎手、廣瀬騎手らが追いついてきた──ギアを上げていかんと!
──先週は、マジークとララテロワールで2勝。これでマジークとのコンビでは6戦4勝となりましたね。
小牧 あれは上手いこと勝ったねぇ。ギリギリやったけど、最高に乗れた。よう勝ってくれたよ。
──ギリギリといえば、木曜メインのウインディーパレスは…。
小牧 負けたー! (追い比べで)ずっと前に出てたのにねぇ。
──ですよね。これは勝ったなと思いながら見てました。
小牧 僕も勝ったと思ったんやけど、やっぱり59キロが堪えたみたいで、ゴール板を過ぎてからちょっとフラついてたわ。とはいえ、勝って同条件を使っているから、59キロは仕方ない。もう夏休みに入るかもしれんね。
──ウインディーパレスといえば、夏場に弱い馬。暑さの影響もありましたか?
小牧 いや、レースでは何とか大丈夫だったよ。でも、毅に言わせると、だいぶおとなしくなってきたみたいやから、やっぱり暑さが堪えてきているのかもしれん。そう考えると、よう頑張ってるよ。
──毅さんとの兄弟タッグですからね。ウインディーパレスには頑張ってもらわないと。
小牧 そうやね。そういえば、木曜日の1400mでゴーゴーツヨシがデビューするよ。
──ついに!
小牧 ちょっと夏負けしてるらしいけど、能力検査の時計も優秀やったし、ここは能力で頑張ってもらいたいね。そうそう、ゴーゴーツヨシって牝馬なんやって。
──えっ? 女の子なのにツヨシ!? 完全に男の子だと思ってた…。
小牧 僕も(笑)。新馬戦は5頭立てで紅一点や。
──さて、7月に入り、地方競馬を代表するジョッキーのニュースがふたつ。まずは、同じ兵庫の田中学さん。調教師試験の合格と同時に引退が発表されましたね。
小牧 よかったよね。2000勝以上しているジョッキーは一次試験が免除されるので大丈夫だろうとは思っていたけど、こうやって発表されてホッとしたんちゃうかな。親父さん(田中道夫調教師)のほうがよう知っているけど、学とも長いこと一緒に乗っていたからね。これから一緒に兵庫を盛り上げていければと思ってます。思えば、彼も腰痛で苦しんでねぇ。

▲調教師試験合格と騎手引退が発表された田中学騎手(撮影:稲葉訓也)
──2023年のジャパンCでチェスナットコートに騎乗予定でしたが、腰痛でキャンセルされて。それからずっと復帰に向けて治療を続けていらしたとか。
小牧 うん。いろんなところで診てもらったらしいけど、ダメだったみたい。僕もわかるけど、腰だけはホンマに痛いからね。あればっかりはどうしようもない。
──小牧さんには、痛くて馬から下りられなくなった…というエピソードも。
小牧 若い頃ね。最近もたまに痛いなぁと思うことがあるけど、ガクッとくる前にケアするようにしてる。いい整体を見つけたんでね、そこに行ってますわ。なんせギックリになったら、馬に乗られへんから。
──毎週、騎乗数も多いですからね。
小牧 たまに減らしたりしてるけど、よう乗せてもらってます。ここにきて勝ち星のペースが落ち着いてきてしまったから、ちょっと頑張っていかんと。後ろが追いついてきよるから。
──先週は吉村さんが6勝の固め打ち。追い上げてきましたね。
小牧 吉村もそうやけど、廣瀬もね。僕もさらにギアを上げていきますわ。

▲先週6勝と固め打ちの吉村智洋騎手(撮影:稲葉訓也)
──さて、もうひとつのニュースは…。
小牧 岡部ねぇ。去年はハラスメントでの処分もあったし、どうなってるんやろう…。僕のなかでは、おとなしくてむちゃくちゃいい子っていうイメージなんやけど。
──お付き合いがあったんですか?
小牧 あったよ。一時期、よう園田に遊びにきたりしてたんやもん。
──競馬に乗りにきていたのではなく、遊びに?
小牧 そう、遊びにきてた。まぁ僕がJRAに移籍する前やからだいぶ昔の話やけど、よく十三とかに飲みに行ったりして仲良くしてたんですわ。ずーっとトップに君臨していたすごいジョッキーやからね、残念で仕方ないわ。
(文中敬称略)