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良質のニックス配合ボストンカラーズ

  • 2006年08月15日(火) 23時50分
ボストンカラーズ(牡 栗東・飯田明弘 父ボストンハーバー、母チームカラーズ)
 半兄にゴッドオブチャンス(02年京王杯スプリングC-GII)がいる良血で、パーソナルエンスン(BCディスタフなど13戦全勝)を始め近親に多数の活躍馬がいる。母系にMr.Prospectorを持つボストンハーバー産駒は大成功しており、ダイワバンディット(03年新潟2歳S-GIII)、ワンダフルデイズ(03年クリスタルC-GIII)、カフェボストニアン(02、03年CBC賞-GII・2着)など、主だった産駒のほとんどがこの配合パターンから誕生している。2歳戦の連対率44.4%は素晴らしい。ダートのほうがベターだが、芝も苦にしないはず。

アイアムレギュラー(牡 美浦・小島茂之 父フレンチデピュティ、母アッファビリティー)
 フレンチデピュティ産駒は母系にMr.Prospectorが入ると成功確率が高まり、この配合パターンの2歳戦連対率は36.8%と優秀。さらに、Mr.ProspectorとNijinskyを併せ持つパターンでは57.1%に跳ね上がる。少ないサンプルからマッチレスバロー(06年共同通信杯-GIII・3着)、モンヴェール(06年関東オークス-GII・3着)が出ている。本馬はこのパターン。半姉にメイショウアモーレ(準OP)、母の半兄にアウザール(86年愛セントレジャー-G1)がいる牝系も悪くない。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

エイシンイチモンジ(牡 栗東・坂口正則 父マンハッタンカフェ、母アラデヤ)
 先週終了時点でマンハッタンカフェ産駒は3頭が勝ち上がっている。晩成型という予測が支配的だったので、これほど早い時期から動ける産駒を送り出せたのは嬉しい誤算だ。本馬はマイネルスケルツィ(06年ニュージーランドトロフィー-GII)の半弟にあたる良血。母の父MachiavellianはMr.Prospector系の良血種牡馬で、フランスの2歳G1を2勝している。この影響を受けた母は、豊かなスピードと仕上がりの早さを伝えている。ステイヤー血統のマンハッタンカフェとはうまくフィットするだろう。

シベリアンクラシカ(牝 美浦・手塚貴久 父Siphon、母Cheer Cheer)
 昨年のクリスタルC(GIII)で4着となったチアフルワールドの半妹。父はスピニングワールドからSiphonに替わった。SiphonはSicambreのラインを受け継ぐブラジルの異色血統で、本国で活躍したあと北米に渡り、サンタアニタH(G1)、ハリウッドGC(G1)など西海岸のトップクラスのG1を勝った。種牡馬としてもまずまず成功している。2代母の父Spend a Buck(ケンタッキーダービー)は、北米では種牡馬として失敗に終わったが、ブラジルに渡って見違えるような成功を収めた。ブラジル血統との相性は抜群なので、父Siphonとの組み合わせには注目したい。

タワードピーク(牡 美浦・和田正道 父Cozzene、母Monica Faye)
 デイリー杯2歳S(GII)を勝ったシルクブラボーの全弟。父Cozzeneはほとんど純白に近い芦毛をトレードマークに米芝戦線で活躍し、ブリーダーズCマイル(G1)を快勝した。気難しさを伝えるのが欠点で、産駒は逃げたり追い込んだりといった極端なレースで成功するものが多い。シルクブラボーがデイリー杯2歳Sを勝ったときも逃げ切り勝ちだった。悍性のきつさは、度を越せば大成を阻む要因になるが、適度なものであれば競走馬にとって有益。そうなることを期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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