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先週金曜日は4勝と大暴れ! 園田ナイターを盛り上げた“牝馬のツヨシ”との8馬身差Vなど振り返る

  • 2025年09月16日(火) 18時01分
太論

▲大活躍だった先週を小牧太騎手が振り返ります(撮影:稲葉訓也)


先週は、3日間開催で全5勝。そのうち4勝を金曜日にマークし、ナイター競馬を盛り上げた小牧騎手。なかでも圧巻だったのは、弟の小牧毅調教師が管理する2歳牝馬、ゴーゴーツヨシ。後方からひとマクリを決め、直線だけで8馬身差の圧勝を決めました。そのほか、8番人気ヤマニンリジッドでの直線一気や、サイレンスタイムでの下剋上など、さながら“小牧太デー”となった金曜日。

今週の『太論』では、それらのレースを振り返ると同時に、9月18日にベラジオドリームで挑む名古屋の重賞・秋の鞍への手応えを語ってくれました。

(取材・構成=不破由妃子)

“ツヨシ”という名の大きな女の子が初勝利!「あの馬、男馬みたいやで」


──先週の金曜日はいっぱい勝ちましたねぇ。7戦して4勝ですから。しかも人気を問わずで、まさに“小牧太デー”でした。

小牧 あの日はよかったです。水曜と木曜は2、3着が多かったから、最終日に挽回できてホッとしたわ。

──なんといっても、金曜4R(2歳未勝利・ダ1400m)のゴーゴーツヨシ。後方からのひとマクリで8馬身差の圧勝とは。恐れ入りました。

小牧 強かったね。僕ね、本当はマクっていくようなレースはあんまり好きじゃないんやけど、逃げていた馬がまぁまぁ走るなぁと思っていたから、一気にかわしてしまえと思って。ゴーゴーツヨシは、一旦放牧に出るみたい。まだトモがしっかりしていないんでね。

──それでいてあの走りですか。

小牧 うん。やっぱり走るよ、あの馬。いい体してるわ。

──先週の出走時は501キロ。ツヨシという名の大きい女の子とあって、人気が出そう(笑)。

小牧 あの馬、男馬みたいやで。全然ピリピリしたところがないし、何に対しても動じない。おとなしいわ。

──前走と比較して状態や走りはよくなっていたんですか?

小牧 馬がよくなってた。前走はやっぱり夏負けの影響があったんやろうね。

──毅さんの反応はいかがでしたか?

小牧 あれくらいは走ると思っていたみたいやけど、やっぱり喜んでたよ。とりあえず放牧に出て、今後についてはそれからやね。JRAのレースに出るための認定レースを使うのか、こっちの2歳の重賞を使っていくか…。いずれにしても距離延びていい馬なので、楽しみは大きいよ。

──続いては、金曜日の最終レースを勝ったヤマニンリジッド。テン乗りで8番人気という低評価のなか、ほぼ直線一気の競馬でしたね。2024年6月以来の勝利で、“太マジック”がさく裂したのかなと。

小牧 正直、勝てるとまでは思っていなかったんやけどね。あれはね、たぶん大雨のおかげだと思う。水が浮いている馬場だったけど、返し馬ですごくいい走りをしててん。脚捌きがすごくよかったから、「この馬場ならひょっとして走るんちゃうかな」と思ったら、思った通り走ったわ。

──直線に向いた時点で10頭立ての8番手の外。あそこから飛んでくるとは思いませんでしたよ。

小牧 すごかったよ。あの馬はああいう雨馬場が向いてるんやと思う。あとは、前も速かったから、展開もハマったね。

──本当に鮮やかでした。その前のメイン、秋涼特別(A1A2・ダ1230m)のサイレンスタイムも強かった。3番人気でしたが、人気上位2頭を見る形で競馬を進めて、直線は計ったように内から抜け出してきた。

小牧 仕上がりもよかったし、自信はあったよ。強かったです。1200mやったら、重賞でもやれるかもしれんね。迷うところやなぁ。10月に1230mの重賞があるでしょう。

──去年、エコロクラージュで勝った兵庫ゴールドカップですね。

小牧 そうそう。高知の田中守のところのルコルセールもくるんですわ。あの馬も走るでしょう。ルコルセールは、その前に園田の1400mの重賞(9月26日・園田チャレンジカップ)を使うねん。それはそれで楽しみなんやけどね。あ〜、体がふたつほしいわ。

──トップジョッキーならではの葛藤を存分に味わってください(笑)。園田はこれから毎週重賞が組まれていますが、小牧さんについては、今週は名古屋(9月18日・秋の鞍)。ベラジオドリームの重賞初Vが懸かっています。

小牧 メンバーがけっこう揃ってるけどねぇ。前回、ぎふ清流カップで負けた吉原(寛人)のケイズレーヴが1番人気やろ?

──予想オッズではそうですね。で、ベラジオドリームが2番人気予想です。

小牧 ケイズレーヴは3枠、ベラジオは6枠。いい枠を引いたわ。それに、今日から名古屋は園田と同じサラサラの砂になったらしいんでね。それはよかったなぁと思って。名古屋が弥冨になってからあんまり乗りに行ってないから、馬場がわからないのが心配やったんやけど、園田と同じということなら自信を持って乗れるわ。ちなみに、4Rもエキストラ騎乗(オルミラベル)で乗ります。ベラジオがここを勝つようなら、楽しみが増えるね。

──話は変わりますが、先日天国に旅立ったハルウララの引退レースを勝ったのは、小牧さんだったんですね(ハルウララの半弟オノゾミドオリに騎乗して1着)。最近、小牧さんが取材を受けている記事を見て、初めて知りました。

小牧 そうやねん。オノゾミドオリっていう馬に乗ってね。あの日の高知は、ハルウララフィーバーですごかったから、よく覚えてるよ。確かJRAからは、僕と武幸四郎くんが乗ってたんかな。その記憶はあるんやけど、僕が勝ったっていうのは忘れてた(苦笑)。当時の高知は、5万円しか賞金が出ないような時代やったけど、今では園田より上やからね。ハルウララの功績は本当に大きいと思うよ。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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