ここ3年でさらに強まる傾向とは
重賞をデータで予想する際には過去10年で括ることが多いが、今回は敢えてスプリンターズステークスの過去5年を前提に話をしてみたい。
というのも、馬場整備の進化はめざましく、6〜10年前と直近5年では前提条件が違う。そして馬場が良くなった結果、スプリンターズSにおける枠順の重要性が高まっているわけである。さらに言えば、ここ3年でさらにその傾向は強まっている。
過去5年のスプリンターズSでは単勝10倍以上の馬が7頭馬券に絡んでいるが、2ケタ馬番で道中後ろ半分にいたのは2020年3着のアウィルアウェイだけ。ここ2年は一昨年のマッドクールが10番枠から、昨年のルガルが13番枠から馬券に絡んでいるが、通過順は前者が5-4、後者が3-3だった。
単勝10倍未満の馬は8頭が馬券に絡んでいるが、うち6頭は馬番1〜6番。1〜6番だった馬は[2-2-2-2]でかなり安定しており、着外2頭のうち1頭は3着とクビ差の4着だった昨年のママコチャだ。
馬番7番以降の単勝10倍未満の馬は[1-1-0-7]。しかも連対したのは20年グランアレグリア、21年レシステンシアと過去5年の古い側で、過去3年7番以降の6頭はすべて馬券の対象から外れた。22年メイケイエール以外の5頭がすべて道中6番手以降と差しに回っていたことも関係しているだろう。
2020年はグランアレグリア1着・アウィルアウェイ3着だからいまの馬場とはまだニュアンスが違っていたのだろう。いまの馬場だと、真ん中以降の枠を引いたら人気馬でも疑う必要があるし、差しタイプならなおさら。外枠馬は先行力がないと勝負しづらい。穴を狙うなら「内枠先行馬」だろう。
おそらく皆さん1年前に結果が出たあとこのようなことを考えたはずだが、人間いざ予想をする段階になるといろいろ忘れるもの。改めて話を整理したうえで今週の予想に向かいたい。