
▲ダート三冠狙うナチュラルライズを送り出すグランド牧場を徹底分析!(撮影:高橋正和)
10月8日、大井競馬場で開催されるジャパンダートクラシック。昨年から整備された“ダート三冠レース”の「初代三冠馬」の称号をかけ、ナチュラルライズが挑みます。
そんなナチュラルライズを送り出すのは、老舗生産牧場・グランド牧場。昨年はキャリアハイとなるJRA・46勝を挙げ、近年は海外の繁殖牝馬セールで高額馬を落札するなど競馬ファンの注目を集めています。かつてはオーナーブリーダーとしても活躍していた同牧場ですが、24年からはマーケットブリーダーへと転換。その背景には何があったのでしょうか。グランド牧場の伊藤佳洋代表にお話を伺うと「ブラックタイプの継続と投資」という大きなビジョンがありました。
(取材・文:ハツミ☆オカ)
ナチュラルライズに「海外の大きいレースに挑戦してほしい気持ちはある」
──生産馬のナチュラルライズで三冠制覇に挑む日が、間近に迫ってきました。まずは同馬についての話を聞かせてください。特に東京ダービー。序盤は行きたがっていたようにも見えましたが、結果的には楽勝でしたね。
伊藤 レース前に調教師とジョッキーから、「大井の2000mはペースが遅くなりやすい」と聞いていましたので、ある程度は想定していた形でした。途中からは無理に抑えず、自分のリズムで運べたことが良かったと思っています。コーナーのところは、さすがに少しヒヤヒヤしましたけど(苦笑)。

▲東京ダービーを2馬身半差で勝利(撮影:高橋正和)
──他の馬とは積んでいるエンジンが違う。そのように感じさせるレースでした。
伊藤 デビュー前からポテシャルを感じている馬でしたが、前走を見て再確認しましたね。
──幼少期のナチュラルライズとは、どのような馬だったのでしょう。
伊藤 生まれた時から骨格がしっかりしていましたし、成長していく段階でも変な無駄肉が付きませんでした。育成に入ってからも、可動域の広い走りをしていましたし、坂路での調教は併せる相手が付いてくることができず、これは他とは違うなと。長期に休んだこともなかったですね。

▲当歳時のナチュラルライズ(提供:グランド牧場)
──前走後はファンタストクラブで調整。どのような雰囲気でしたか?