
▲“ヤマニン軍団”の復活を支えたものとは(写真右からブークリエ、シュラ、チェルキ、ヒストリア・提供:錦岡牧場)
クラシック三冠最終戦・菊花賞に並々ならぬ思いを背負って挑む馬がいます。その名はヤマニンブークリエ。今年だけでも東海Sをヤマニンウルス、北九州記念をヤマニンアルリフラ、そして先日の東京盃をヤマニンチェルキが制するなど勢いに乗る“ヤマニン軍団”の彼らはオーナーブリーダーである錦岡牧場の生産馬です。
近年、快進撃を続ける錦岡牧場ですが、JRA重賞からしばらく遠ざかる時期もあるなど低迷期を経験。そこから救世主のように現れた彼らには、曾祖母「ワンオブアクライン」という共通点がありました。そんな錦岡牧場代表・土井久美子氏に牧場のここまでの歩みを振り返っていただくと、長年お付き合いがあるという武豊騎手とのエピソードや、牧場の3つの改革などがありました──。
(取材・文=ハツミ☆オカ)
「亡くなった主人も自分の目で見たかっただろうなあ…」仕入れた血統の活躍
──東海Sのヤマニンウルス、北九州記念のヤマニンアルリフラの兄弟に続き、東京盃をヤマニンチェルキで優勝。今週末の菊花賞に出走するヤマニンブークリエもワンオブアクラインの血統ですね。錦岡牧場の基礎牝系にもなったワンオブアクラインの血を持つ馬たちの活躍について、まずはお話を聞かせてください。
土井 本当にありがたいことですし、私たちもオープン馬の顔触れを見て「全部がワンオブだよね」と話をしているんですよ。ヤマニンブークリエがホープフルSに出走したとき、パドックで豊さん(武豊騎手)にも同じようなことを言ってもらいました。「ワンオブの曾孫が走り出しましたね。先代(土井睦秋氏=2016年に他界)は自分の目で見たかったでしょうね」と。
──昨年末のあの場所で、そのような話をすでにされていたんですね。
土井 ワンオブアクラインについても豊さんの方がご存じだと思います(笑)。私はワンオブアクラインを入れてきたときのことを知らず、主人に少し話を聞いただけですから。ウチと豊さんには長い歴史がありますし、それこそ菊花賞でいえば、