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世界的良血ラヴィーズラヴィン

  • 2006年08月22日(火) 23時48分
ツバサドリーム(牡 美浦・久保田貴士 父アグネスタキオン、母フライングカラーズ)
 アグネスタキオン産駒は母系にしっかりとしたスタミナ血脈を入れたものが大物に育つ。本馬は母系に重厚なリマンドを持っているが、この血はアグネスタキオンにも含まれているので、本馬はリマンド4×3というインブリードを持つ。全姉グランプリシリウスは2歳時にフェニックス賞(OP)3着、サフラン賞(500万下)2着などの成績を残した軽快なスピード馬。半兄マルカキセキはスプリンターズS(GI)4着、サイモンセッズもガーネットS(GIII)4着と重賞戦線で活躍している。すぐに勝ち上がれそうだ。

ツルマルトミヒメ(牝 栗東・橋口弘次郎 父サッカーボーイ、母ツルマルグラマー)
 母ツルマルグラマーは現役時代、新馬戦を快勝したあといきなりファンタジーS(GIII)に挑戦し、格上馬を相手に2着と健闘した。本馬はその初子で、父は中長距離に実績があるサッカーボーイ。同産駒は早い時期から活躍するタイプではないが、母の早熟性がうまく伝わっていれば2歳戦から走ってくるだろう。マイル以上の芝で本領を発揮し、平坦コースでさらに良さが活きる。

マイネディアマンテ(牝 美浦・秋山雅一 父マヤノトップガン、母プリンセスエイブル)
 ダートのOPクラスで頑張っているメイショウサライ(父マーベラスサンデー)の半妹。「マヤノトップガン×ジェイドロバリー」という組み合わせはマヤノグレイシー(準OP)と同じ。Blushing GroomとNijinskyのニックスがあるので配合的な信頼性は高く、メインディッシュ→メイワキミコを経てハワイアンドーンにさかのぼる牝系も素晴らしい。芝のマイラーだろう。

ラヴィーズラヴィン(牝 栗東・坂口正則 父Giant's Causeway、母Lu Ravi)
 母Lu RaviはコーティリオンS(米G2)、モリーピッチャーBCH(米G2)など5つの重賞を制し、181万ドルもの賞金を稼いだ名牝。2代母At the HalfもゴールデンロッドS(米G3)を勝っている。父Giant's Causewayは現役時代、わずか2か月半の間にG1を5連勝して「鉄の馬」の異名を取った。初年度産駒からShamardal(仏ダービーなどG1を4勝)、Footstepsinthesand(英2000ギニー)などを送り、種牡馬としても成功している。「Storm Cat×A.P.Indy」の組み合わせからはブルーグラスキャット(米G1勝ち馬)が出ており、「Giant's Causeway(その父Storm Cat)×A.P.Indy」の本馬も成功するはずだ。馬力型のスピードが持ち味で、仕上がりも早い。

イエロープリマ(牝 栗東・中尾正 父ブライアンズタイム、母シーキングハーフォーチュン)
 「父ブライアンズタイム、2代母Swiss」という血統は年度代表馬マヤノトップガンと同じ。両者の違いは、トップガンの母の父がBlushing Groomで、本馬がCrafty Prospectorである点。母系にVaguely Nobleを持つブライアンスタイム産駒からは、トップガンのほかにチョウカイキャロル(94年オークス-GI)、エリモダンディー(98年日経新春杯-GII)、ニシノナースコール(05年秋華賞-GI・3着)などが出ている。この部分が配合構成の核だ。芝・ダート兼用の中距離タイプで大物感がある。

サクラプレジャー(牡 栗東・友道康夫 父サクラバクシンオー、母モランボン)
 全兄のサクラタイリンはニュージーランドT(GII)の3着馬。母モランボンはコンスタントに良駒を出しており、POG向きといえる。母の父サガスは凱旋門賞馬で、種牡馬としてはスピード不足でさほど成功しなかったが、ドイツ血統を含んだスタミナタイプなので、母系に入って良さが活きるタイプだ。スピードに特化したサクラバクシンオーとの組み合わせはバランス的に最高だろう。兄サクラタイリン級の活躍も十分期待できる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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