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セントレジャー展望

  • 2006年09月05日(火) 23時55分
 日曜日にロンシャンで行われる凱旋門賞プレップや、土曜日にレパーズタウンで行われる愛チャンピオンSに目が行きがちなこの週末だが、もう1つ見逃せないのが、土曜日に行われる世界最古の3歳クラシック、G1セントレジャーである。

 今年はドンカスターが改修で使えず、ヨークの13F、197Yが決戦の舞台となる。つまりは、例年(14F、132Y)より155Y、およそ140mほど短い距離で争われるセントレジャーということになる。

 4日(月曜日)の5日前登録の段階でエントリーを済ませたのは12頭。目下ブックメーカー各社が2倍を切るオッズで圧倒的1番人気に推しているのが、シクスティーズアイコン(父ガリレオ)である。母がオークス馬ラヴディヴァインという良血馬で、もともと素質を高く評価されていたのだが、仕上がりが遅れて、初勝利を挙げたのが今年5月。ここで強気に英国ダービーに挑み、勝ったサーパーシーから5馬身遅れの7着と、悪くない競馬をした。その後、ロイヤルアスコットのG2キングエドワード7世が3着と、まだまだ本格化途上を思わせたが、続くグッドウッドの12FのG3ゴードンSで強い勝ち方を見せて重賞初制覇を達成。良血馬が軌道に乗った時は一気に急上昇するとの格言通り、その後の調教でも素晴らしい動きを見せており、3冠最終戦における主役の座をあてがわれることになった。

 2番手グループには、3頭が密集。1頭は、ゴードンSでシクスティーズアイコンの2着だったジャダリー(父デザートプリンス)。母の父ダルシャーンの影響が強いのか、距離伸びて台頭し、ゴードンSのあと8月26日にグッドウッドで行われた14Fの準重賞マーチSを制して、セントレジャーへの切符を手にした。1頭は、8月22日にヨークで行われた、セントレジャーへ向けた代表的プレップレース・グレートヴォルティジュールS(G2、12F)の2着馬レッドロックス(父ガリレオ)。これも本格化が遅れ、2歳時は3戦して未勝利に終わったが、3歳を迎えて、メイドンと準重賞を連勝。重賞初挑戦となったロイヤルアスコットのG2キングエドワード7世Sが2着、続いてフランスに遠征したG1パリ大賞典も2着と、瞬く間に一線級の仲間入りをした。更に1頭が、エイダン・オブライエン厩舎のタスカラム(父サドラーズウェルズ)。母の兄弟に凱旋門賞馬アーバンシーや2000ギニー馬キングズベスト、いとこにガリレオらがいるという超良血馬で、8月26日にカラで行われた14Fの準重賞バリーカレンSを勝って、ここへ臨んできた馬である。

 もっとも、2番手グループと言っても、オッズはいずれも8倍前後で、シクスティーズアイコンのひとり舞台となる公算大というのが目下の下馬評である。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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