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兄を超えろドラゴンファイヤー

  • 2006年09月12日(火) 23時47分
アタゴヘイロー(牡 美浦・伊藤伸一 父キングヘイロー、母マルスフラウ)
 「キングヘイロー×マルゼンスキー」という組み合わせ。父キングヘイローはカワカミプリンセス(06年オークス-GI)、ゴウゴウキリシマ(06年シンザン記念-GIII)、ニシノドコマデモ(05年青葉賞-GII・2着)など多くの良駒を送り出し、成功を収めている。母マルスフラウは未勝利馬だが、その母ニアリーウェッドは名種牡馬Blushing Groomの半妹という良血。スピードだけでなく底力を感じる好配合馬。仕上がりも早いはず。

ブレイクオブライト(牡 美浦・小島茂之 父Fantastic Light、母Breakaway)
 半兄Firebreak(父Charnwood Forest)は香港マイル(香G1)、ゴドルフィンマイル(首G2)[2回]、ミルリーフS(英G2)など7つのGレースを制覇した名馬。母系がスピードの塊なので、本馬も基本的にはスピードを活かすタイプになると思われるが、父がスピードタイプのCharnwood Forestから中距離タイプのFantastic Lightに替わったので、2000mあたりまでは頑張れそう。配合構成は悪くなく、うまくいけば重賞も。

エイシンイッチョー(牡 栗東・北出成人 父Yes It's True、母Cloudrunner)
 母は未出走馬だが、その半兄Seek GoldはスティーヴンフォスターH(米G1)の勝ち馬。父Yes It's Trueはフランク・J.ドフランシスメモリアルダッシュS(米G1)など9つのGレースを勝った名スプリンターで、初年度産駒がデビューした03年、北米2歳種牡馬ランキングで第3位、新種牡馬では第2位に入るという好成績を残した。本馬はアメリカ産馬らしいスピード豊かなダート馬だろう。脚抜きのいい馬場ではとくに強い。仕上がりが早く2歳戦向き。

サクラトゥハート(牝 美浦・田中清隆 父マリエンバード、母サクラアカツキ)
 「マリエンバード×コマンダーインチーフ」という組み合わせ。父マリエンバードはカーリアン産駒のステイヤーで、現役時代に凱旋門賞など3つのG1を制した。今年の2歳が初年度産駒。本馬はサクラアカツキ(00年中山牝馬S-GIII・3着)の娘で、半兄サクラマジェスティは夏木立賞2着の素質馬。本馬が持つDarshaanとパーソロンの組み合わせは効果的だと考えられる。オークス向き。

チアズスワロー(牝 栗東・山内研二 父フレンチデピュティ、母チアズダンサー)
 半兄チアズブライトリー(父サンデーサイレンス)は七夕賞(GIII)と京阪杯(GIII)を、半姉チアズメッセージ(父サンデーサイレンス)は京都牝馬S(GIII)を制した活躍馬。母はシャトーゲイを含むなどもともと力馬っぽい側面を秘めていたので、父がサンデーからフレンチデピュティに替わった本馬は、おそらくダート方面に才能を発揮するはず。

ドラゴンファイヤー(牡 美浦・久保田貴士 父ブライアンズタイム、母マジカルウーマン)
 今年のユニコーンS(GIII)を勝ったナイキアースワークの全弟。ブライアンズタイム産駒は芝・ダート兼用で、最近は芝よりもダートでの活躍が目立つようになっている。母系にブレイヴェストローマンが入った場合、ダート向きと判断して間違いない。この配合の芝連対率は13.1%だが、ダート連対率は24.3%と一気に数値が跳ね上がる。戦後のサラ系最多勝記録を樹立したブライアンズロマンも同パターンだ。本馬は、母の半兄に2頭の重賞勝ち馬(コクトジュリアン、ブラボーグリーン)がおり、配合構成もしっかりしているので、馬のデキがよければ兄程度の活躍は期待できる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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