オグリスペシャル(牡 栗東・瀬戸口勉 父フォーティナイナー、母オグリロマンス)
　母オグリロマンスは中日スポーツ賞4歳S(GIII)で5着となったスピード馬で、その母オグリローマンは桜花賞(GI)を勝ち、その半兄オグリキャップは日本競馬史に大きな足跡を残した名馬。牝系の質は高い。それに加えて本馬は「フォーティナイナー×ノーザンテースト」というニックスを持っている。この組み合わせはユートピア(06年ゴドルフィンマイル-G2)を筆頭にコンスタントに活躍馬を送り出しており、とくにダート戦では強い。仕上がり早で2歳戦向き。

ザサンデーフサイチ(牡 栗東・池江泰寿 父ダンスインザダーク、母エアグルーヴ)
　04年のセレクトセールにおいて4億9000万円(当時のセリ史上最高価格)で落札された。母は牝馬ながら年度代表馬に輝いた女傑、半姉にエリザベス女王杯(GI)を連覇して最優秀4歳以上牝馬となったアドマイヤグルーヴがいる超良血。母系のトニービン、ノーザンテースト、ガーサントは父ダンスインザダークと相性がよく、配合水準は高い。中長距離に向いたクラシックタイプで、GI戦線に乗ってくるだろう。

バイオレントハート(牝 栗東・山内研二 父ダンスインザダーク、母グレートクリスティーヌ)
　半姉にスプリンターズS(GI)、高松宮記念(GI)など4つの重賞を制した名スプリンター・ビリーヴがいる。父がサンデーサイレンスからダンスインザダークに替わったので、正確には4分の3妹ということになる。母系にDanzigを持つダンスインザダーク産駒からは、佐賀記念(GIII)を勝ったマルブツトップが出ており、この配合の連対率はダンス産駒全体の連対率よりも優れている。ただ、ややパワフルな馬が目立つので、本馬は芝よりもダートで本領を発揮するかもしれない。

ポーカーフェイス(牡 栗東・加藤敬二 父ブライアンズタイム、母ラティール)
　母ラティールは現役時代、鋭い差し脚を武器に愛知杯(GIII)2着、中山牝馬S(GIII)3着、オークス(GI)4着などの成績を残した。その父タマモクロス譲りの芦毛の馬体がトレードマークで、ファンの多い馬だった。これにブライアンズタイムを付けて生まれたのが本馬。ブライアンズタイムは「HyperionとSon-in-Law」をセットで持つ血脈と好相性を示し、同産駒の大物はこの配合パターンから生まれたものが多い。本馬はSwaps、テューダーペリオッド、Abernant、チャイナロックなど、そうした血脈を母系にたっぷり含んでいる。仕上がりは早いとはいえないが軌道に乗ってくればおもしろい。

マッキーエルメス(牡 栗東・藤原英昭 父ダンスインザダーク、母クリアーチャンス)
　ダイヤモンドS(GIII)をレコード勝ちしたマッキーマックスの全弟。ダンスインザダーク産駒は、母系にディクタスとノーザンテーストを併せ持った配合が高確率で成功を収めており、マッキーマックス以外にも、ツルマルボーイ(04年安田記念-GI)、チョウサン(05年青葉賞-GII・4着)などの活躍馬が出ている。確固たる配合的な裏付けがあるので、本馬もいずれ頭角を現してくるだろう。兄と同じく芝の中長距離タイプ。

ウォーターポピンズ(牝 栗東・岡田稲男 父Storm Cat、母Christmas in Aiken)
　半兄Harlan's HolidayはアメリカでドンH(G1)、ブルーグラスS(G1)、フロリダダービー(G1)などを勝った。その父HarlanはStorm Cat産駒なので、Storm Cat産駒の本馬とは4分の3兄妹の関係にある。「Storm Cat×Affirmed×Honest Pleasure」という組み合わせはパワフルで仕上がりが早く、ダート短距離の新馬戦では確勝だろう。

ジャルダンデフルー(牝 栗東・藤岡健一 父スペシャルウィーク、母リヴァーガール)
　半姉に桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、阪神3歳牝馬S(GI)を勝ったテイエムオーシャンがいる良血。テイエムオーシャンのあと、母リヴァーガールにはサイアーランキング上位の芝向きの種牡馬は付けられていなかったので、久々にクラシックを狙えそうな雰囲気がある。底力に秀でた血で構成されているが、2代母エルプスが桜花賞を勝っているように、この牝系は一方で豊富なスピードにも恵まれているので、ズブさの懸念はないだろう。1600mから2400mまで幅広く距離をこなすはずだ。