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世界的良血セイウンヒーロー

  • 2006年10月24日(火) 23時48分
ジョウノパンジー(牝 美浦・古賀慎明 父タイキシャトル、母ジョウノマチエール)
 ウインラディウス(04年京王杯SC-GII、04年東京新聞杯-GIII、05年富士S-GIII)の半妹にあたる。タイキシャトル産駒はNijinskyクロスを持つものが成功しており、過去にゴールデンキャスト、ウイングレットといった重賞勝ち馬がこの配合から誕生している。本馬もこのパターン。芝向きのマイラーだろう。

マイネレプリーク(牝 美浦・高橋裕 父アフリート、母イブキニュースター)
 母イブキニュースターはフラワーC(GIII)の勝ち馬で、半兄にイブキレボルシオン(05年京成杯-GIII・4着)がいる。父アフリートはNijinskyを抱えた繁殖牝馬と相性がよく、過去にプリモディーネ(99年桜花賞-GI)、プリエミネンス(ダート重賞8勝)、ビッグウルフ(03年ジャパンダートダービー-交流GI)をはじめ多数の活躍馬を輩出している。本馬はこのパターン。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

ヴィクトリアアイ(牝 栗東・中竹和也 父ブライアンズタイム、母キャットクイル)
 桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)などを制した名牝ファレノプシスの全妹。この牝系からは、同じブライアンズタイムを父に持つ三冠馬ナリタブライアンも出ている。配合的に優れているのはいうまでもない。あとは馬のデキがどうかだけ。芝の中距離タイプだろう。

アロハスタイル(牡 美浦・堀宣行 父A.P.Indy、母Batique)
 母BatiqueはマッチメイカーH(米G3)など3つのグレードレースを制した実力馬。「A.P.Indy×Storm Cat」という組み合わせはサラトガスペシャル(米G2)を勝ったJump Startと同じ。仕上がりの早いマイラー血統で、馬力があるのでどちらかといえばダートのほうがいいタイプ。

キングダムハート(牡 栗東・角居勝彦 父Mark of Esteem、母Lady Carla)
 母Lady Carlaはデビュー3連勝で英オークス(G1)を制した名牝。ただし、これまでに送り出した5頭の産駒からはこれといった馬は出ていない。父Mark of Esteemは英2000ギニー(G1)の勝ち馬で、今年の英ダービー馬Sir Percyの父。本馬はShirley Heights 3×3という大胆なクロスを持っている。2000m以上で本領を発揮するだろう。

サクラフォルツァ(牡 美浦・小島太 父カリズマティック、母サクラキャンドル)
 母サクラキャンドルは「サクラユタカオー×ノーザンテースト」という有名なニックス配合で、現役時代にエリザベス女王杯(GI)など3つの重賞を制した名牝。ただし、これまでに送り出した3頭の産駒はスピード感に乏しく、競走成績はイマイチ。本馬の父カリズマティックは馬力型なので、ダート向きの可能性が高い。

ジュエリーチェリー(牝 美浦・嶋田功 父サクラバクシンオー、母ダイアナチェリー)
 父サクラバクシンオーはNijinskyを含んだ繁殖牝馬と相性がよく、これまでにショウナンカンプ(02年高松宮記念-GI)やシーイズトウショウ(重賞5勝)など、この配合パターンから多数の活躍馬を輩出している。本馬は母の父がマルゼンスキーなのでNijinskyを含んでいる。2代母が桜花賞馬ダイアナソロンという牝系も上々だ。マイル以下で上級まで出世しそう。

セイウンヒーロー(牡 美浦・手塚貴久 父Fusaichi Pegasus、母Korveya)
 ヘクタープロテクター(仏2000ギニーなどG1を5勝)、ボスラシャム(英1000ギニーなどG1を3勝)、シャンハイ(仏2000ギニー)の半弟にあたる超良血。この3頭はいずれも父がMr.Prospector系だったが、本馬の父Fusaich PegasusもMr.Prospector系なので、配合的に楽しみが大きい。Korveyaの子で日本で走った産駒といえばグレートサクセス(00年中山記念-GII・5着)がおり、本馬はそれより出世してもおかしくない。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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