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良血ヒシユニバーサルに大物感

  • 2006年11月21日(火) 23時48分
ヒシユニバーサル(牡 美浦・国枝栄 父Rock of Gibraltar、母Anima)
 母Animaは、ピルサドスキー(ジャパンC、BCターフなどG1を6勝)、ファインモーション(02年エリザベス女王杯-GI、02年秋華賞-GI)の半姉にあたる良血。父Rock of Gibraltarは「ザ・ロック」の愛称で親しまれ、その父デインヒル譲りのスピードを武器に、ヨーロッパのマイル戦線を中心にG1を7連勝(世界新記録)するという偉業を成し遂げた。今年の2歳が初年度産駒で、Mount Nelson(06年クリテリウム国際-仏G1)、Eagle Mountain(06年ベレスフォードS-愛G2)などを出し、上々のスタートを切っている。07年から日本で供用される予定。ファインモーションと同じくデインヒル系の父を持つので期待できる。

アンジェラスキッス(牝 栗東・山内研二 父Gone West、母River Fairy)
 母はHatoof(米芝牝馬チャンピオン)やセヴンスプリングス(仏G1を2勝)などと同じく「Irish River×Lyphard」という組み合わせで、デビュー3戦目にG1に挑戦する素質馬だったが、レース中に故障して引退した。これにGone Westを付けて誕生したのが本馬。サセックスS(英G1)をレコードで快勝したDistant Viewに配合構成が酷似しており将来性十分。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

センターグランタス(牝 栗東・藤岡健一 父アグネスタキオン、母センターライジング)
 母センターライジングは4歳牝馬特別・東(GII)の勝ち馬。繁殖牝馬としてはまだこれといった産駒は出していないが、素軽いアグネスタキオンを父に持つ本馬は期待が持てる。「アグネスタキオン×ヘクタープロテクター」の組み合わせは意外に少なく、過去JRAでは1頭しか走っていないが、その1頭がカイシュウタキオン(牡丹賞)ならまずまず。1600〜2000mを得意とする芝馬だろう。

チェイルリー(牝 栗東・境直行 父ジャングルポケット、母イソノルーブル)
 ジャングルポケット産駒は新種牡馬戦線でやや出遅れ気味だったが、先週、フサイチホウオーが東京スポーツ杯2歳S(GIII)を勝ち、ジャングルテクノが500万下を勝って反撃の狼煙を上げた。本馬は、母イソノルーブル(91年オークス-GI)、半兄イソノウイナー(99年ガーネットS-GIII・2着)という良血。ダービー馬とオークス馬の配合は案外成功しないものだが、本馬は配合的に悪くなく、期待できる。

フォクシーレッグス(牝 栗東・藤原英昭 父フォーティナイナー、母アワーミスレッグス)
 半姉にサクセスビューティ(02年フィリーズレビュー-GII)、サクセスアルデンテ(03年エーデルワイス賞-GIII・5着)がいる。父がフォーティナイナーに替わり、タイプとしては完全にダート型になった。マイル前後を得意とするタイプだろう。Ribot 4×5など底力十分の配合で大物感がある。

ダノンムロー(牡 美浦・加藤征弘 父Gone West、母Final Destination)
 母Final Destinationはニュージーランド1000ギニー(G1)など同国でG1を2勝した名牝。その父O'Reillyはラストタイクーン産駒で、ニュージーランド年度代表馬に輝いた快速馬。これにMr.Prospector系のGone Westを交配して本馬が誕生した。スピード豊かな血が集められており、芝向きのマイラーとして大成しそう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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