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サクラアメージングに大物の相

  • 2006年11月28日(火) 23時46分
サクラアメージング(牡 美浦・小島太 父ブライアンズタイム、母サクラユスラウメ)
 母は1勝馬だが、サクラプレジデント(札幌記念など重賞3勝)、サクラナミキオー(00年オールカマー-G2・2着)などの半姉にあたる良血で、すでにトニービンとの間にサクラヴィクトリア(02年関東オークス-GIII、02年秋華賞-GI・2着)を設け、繁殖牝馬としても非凡であることを証明している。本馬はブライアンズタイム産駒。「ブライアンズタイム×サクラユタカオー」の組み合わせからはタガノバスティーユ(06年ファルコンS-GIII)が出ている。芝の中距離タイプとして活躍しそうだ。

リワードグランデ(牡 美浦・後藤由之 父カリズマティック、母リワードニンファ)
 母リワードニンファは99年の関屋記念(GIII・芝1600m)で1分31秒6という日本レコード(当時)を叩き出したスピード馬。このときは後にGI馬となるブラックホークに2馬身半差をつける完勝だった。現4歳、現3歳の産駒はいずれもデビューできなかったので、本馬がリワードニンファの血を受け継いだ初めての競走馬となりそうだ。父カリズマティックは自身の特徴を主張するというより、母系の特徴を産駒に反映させるタイプ。したがってリワードニンファのスピードが産駒に伝わっている可能性は高い。

レディアーティスト(牝 栗東・山内研二 父フレンチデピュティ、母レディバラード)
 母レディバラードは現役時代にクイーン賞(GIII・ダ1800m)とTCK女王盃(GIII・ダ2000m)を勝った。しかし、それ以上に価値が高いのは血統。その母Angelic SongはGlorious Song(米古牝馬チャンピオン)、Devil's Bag(米2歳牡馬チャンピオン)の全妹、Saint Ballado(Gレース2勝で種牡馬として成功)の全姉にあたる超良血。父フレンチデピュティはMr.ProspectorやHail to Reasonを持つ繁殖牝馬と相性がいいので、本馬の配合には高い資質を感じる。芝・ダート兼用タイプ。

アブソリュート(牡 美浦・宗像義忠 父タニノギムレット、母プライムステージ)
 母プライムステージは名牝ダイナアクトレスの娘、ステージチャンプ(重賞2勝)の半妹という良血で、現役時代に札幌3歳S(GIII)とフェアリーS(GIII)を勝った。これまでに送り出した産駒は中央1〜3勝程度で、まだ大物は出していない。本馬の父タニノギムレットは重厚な血で構成された本格派なので、母の線の細さを補うには適切な種牡馬といえる。芝向きの中距離馬。

アポインテッドボブ(牡 美浦・手塚貴久 父Johannesburg、母Danzerella)
 母は未勝利馬だが、全兄にEmperor Jones(ロッキンジS-英G2、クレイヴンS-英G3)、半姉にSum(パッカーラップS-米G3)がいる良血。父Johannesburgは欧米双方の2歳牡馬チャンピオン(カルティエ賞とエクリプス賞)に選出された早熟の名馬で、芝・ダートを問わない。父母両系から質の高いスピードを受け継ぎ、また仕上がりも早いタイプなので、仕上がればポンポンと勝ち上がっていきそうだ。マイル以下なら芝もダートもこなす。

クリスマスギフト(牡 美浦・中野隆良 父ダンスインザダーク、母クリスマスツリー)
 母クリスマスツリーは生涯で24戦して掲示板を外したのはわずか3回、という堅実な馬で、府中牝馬S(GIII)で4着、エリザベス女王杯(GI)でも6着と頑張った。スペシャルウィークとの間にジョリーノエル(現1000万下)を設けている。本馬はダンスインザダークの子。「ダンス×トニービン」という組み合わせはムーンライトタンゴ(01年桜花賞-GI・2着)を筆頭にまずまず成功しており、確実に走ってきそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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